2022年10月24日 北朝鮮 弾道ミサイル

北朝鮮からのミサイル発射が続いている。10月9日の短距離弾道ミサイル含め連続的に発射している。アメリカ空母が接近する中での挑発なのか、精度に於いても技術向上がうかがえる。北朝鮮国防省の報道官声明ではアメリカ原子力空母ロナルド・レーガンなど日本海で実施されたアメリカ・韓国の共同軍事演習を批判したうえで、対抗措置をにおわせていた。かつての北朝鮮は近くにアメリカ空母打撃群が演習を行っている時は挑発を控える傾向があったが、韓国釜山にアメリカ空母が寄港した後の9月25日にも短距離弾道ミサイルを発射した。

翌日からアメリカ・韓国による軍事演習が開始された後の、28.29日にも2発ずつ発射して、30日からの日本・アメリカ・韓国による対潜水艦訓練の翌日にも2発のミサイルを発射している。4日には日本上空をまたぐ経路で推定距離4600㎞の中距離弾道ミサイルを発射している。日本国内の対象地域ではJアラートが鳴り響き、システム障害も指摘された事は記憶に新しい。12日2発、14日1発と挑発が続く。

飛距離に於いてアメリカグアム基地を射程に入る事から、事態を重く受け止めたアメリカ軍と韓国軍は地対地ミサイル4発を発射して牽制したが、北朝鮮は翌6日に対抗して2発の短距離弾道ミサイルを発射している。10月1日迄の7発はロシア製に類似した「KN23」などで移動式発射台から発射されたと分析されている。日本上空を超えていったミサイルはこれまでの「火星12」とされているが、改良されて飛距離等性能が向上したのではとの分析だ。

後に発射した2発は「KN23」{KN25}と韓国国防省は分析している。つまりは飛距離が異なるミサイルを、同時に異なる目標に向かって、異なる場所からも縦横無尽に発射できる体制を誇示したようだ。日本側の井野防衛副大臣はSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の可能性も視野に入れて分析しているとコメントした。この様な異なるミサイルが目標を変えて同時に多数発射された場合、現在日本のミサイル防衛システムでは対処出来ない。北朝鮮の狙いは対アメリカであると思われるが、同盟国であり多数の米軍基地をかかえる日本は、年を追うごとに性能が向上している北朝鮮のミサイルに対して深刻に向き合っていく必要があるだろう。

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