2021年5月15日 台湾有事へのルビコン河を渡った日米共同声明
日米首脳会談後の共同声明に、「台湾海峡の平和と安定の重要性」が明記されたことは日米同盟の核心を対中同盟として鮮明に位置け、台湾有事への日米共同作戦実施というルビコン河を渡ったとことをと意味する。安全保障関連法の「存立危機事態」に該当するものとなる。密接な関係国である台湾に対する中国による武力攻撃が発生し、日本は集団的自衛権を行使し、国民を保護する責務がある。具体的には、自衛隊が米軍との共同作戦で中国軍の台湾進攻を阻止することになる。その際中国軍は、沖縄県の尖閣諸島占拠と沖縄米軍基地へのミサイル攻撃も同時に仕掛けてくる。日米安保条約第5条、第6条に該当するが。対中国への日米同盟による全面戦争となる。
問題は、習近平国家主席による6年以内の台湾進攻の意志が本気であることだ。バイデン大統領から次期インド太平洋銀司令官に指名されたアキリーノ氏は上院指名公聴会での証言で「中国による台湾進攻は大多数の人たちが考えるよりも非常に間近に迫っている」と。これに先立つ上院の公聴会で現司令官のデービッドソン氏は「中国は今後6年以内に台湾に進行する可能性が高い」と述べた。習近平国家主席は19年に入るころから台湾統一のためには武器使用も辞さずと公言、香港の一国二制度を解体した今、共産党最大の政治事業が台湾統一だと武力侵攻を示唆している、中国共産党解体を目論むトランプ氏の再選が2024年に確実視される秋、バイデン政権中に台湾進攻を目論むのは必至となる。米軍の総司令官バイデン氏に米中全面戦争を戦う覚悟はないと習近平氏に見抜かれているからである。
課題は、日本において米国の台湾関係法に準じる日台交流基本法が欠落していることである。1979年1月1日の米中国交樹立に伴い米国は台湾との断交を余儀なくされたが、同年4月に国内法としての台湾関係法を制定している。台湾への武器売却への根拠法である。日本においても、存立危機事態が該当する密接な関係国との根拠法が必須となる。他に対中国ミサイル防衛システムの強化、海軍力の強化を含む防衛費強化、これらすべての根底に国民の有事における国防意識の醸成が急務となり。憲法9条改正が必須となる。中国共産党主導の直接侵略の前に間接侵略を先行させるとの戦略の下、国内に展開されている9条を守れとの平和と言う名の戦争との戦いがそれである。その標的は9月の解散・総選挙での野党共闘への政権交代、来年9月の沖縄県知事選でのデニー氏続投である。直近の産経・フジ合同世論調査で、日米共同声明を評価する59%、憲法改正に賛成が53%といずれも5割を超え、国民意識の変化がみられる。中国への脅威の認識が広がりつつあるからだ。憲法9条改正への好機となり、菅義偉政権と与党にとって追い風となるが