2014年1月10日 毎日 「米韓、日本批判を抑制」「外相会談、3カ国連携重視」

毎日に「米韓、日本批判を抑制」「外相会談、3カ国連携重視」が書かれている。

「訪米中の尹炳世韓国外相とケリー米国務長官は7日、安倍晋三首相の靖国神社参拝で日韓関係が険悪化する中で会談した。だが、終了後の共同記者発表で、ケリー長官は日韓関係に触れず、尹外相も名指しの日本批判は避けた。アジア戦略のための日米韓の連携を必要とする米国と、過激な日本批判は自らの立場を弱めかねないと懸念する韓国という、それぞれの思惑を反映したようだ。

『今年が米韓と(アジア地域の)すべての近隣諸国にとって、より安定し、平和になるよう期待する』。ケリー長官は、靖国参拝や日韓関係には言及せず、一般的な発言にとどめた。記者の前で発言するが質問は受け付けない共同発表という形式にした背景にも、靖国参拝に質問が集中することへの懸念があったとみられる。

米国の水面下での働きかけを振り切って靖国神社に参拝し、中韓両国との関係を険悪化させた安倍首相に、米国は『失望』(国務省)を表明する声明を出す異例の対応で明確なメッセージを送った。

しかし、アジア戦略のうえで、日本との同盟関係が『礎石』であることに変わりはない。米韓両国がそろって日本を批判すれば、日米韓の連携はさらに弱まり、アジア地域の安全保障環境に悪影響が出る可能性がある。北朝鮮情勢は、今回の米韓外相会談でも焦点の一つだった。米国は、さらなる批判は避け、韓国にも自制を働きかけながら日本の対応を見極める姿勢とみられる。

一方、尹外相も、共同発表の場では『歴史問題が地域の和解と協力を阻んでいる』と述べるにとどめた。日本を念頭に置いていることは明白だが、名指しは避けた形だ。韓国では最近、日本批判を繰り返すばかりの朴槿恵大統領の姿勢が、米政府に否定的印象を与えているという懸念が強まっていた。安倍首相の靖国参拝には米国も批判的だが、それでも『(韓国とは)温度差がある』(聯合ニュース)と認識されている。

朴大統領は6日の新年会見で、日本批判を展開しながらも靖国参拝には触れなかった。ソウルの外交筋は『抑制的という印象を受ける』と指摘し、日韓関係をこれ以上悪化させるのはよくないと考えているようだとの見方を示した。

ただ、聯合ニュースによると、尹外相は7日、韓国人記者団に『日本の指導者に対する韓国の認識を十分に説明した』と述べた。韓国メディアを意識し、共同発表とは発言のトーンを変えたようだ」。

7日、ケリ―米国務長官と尹韓国外相との会談後の共同記者発表で、日本批判は抑制されたものとなった。そろって日本批判すれば、日米韓の連携が弱まり、中国、北朝鮮を利するのみだからである。日韓関係をこれ以上悪化させてはならないとの合意である。

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