2018年6月11日 朝日「米、中国へ強硬姿勢 鮮明」「南シナ海軍事化を批判」「アジア安保会議」

朝日に「米、中国へ強硬姿勢 鮮明」「南シナ海軍事化を批判」「アジア安保会議」が書かれている。

「シンガポールで開かれている『アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)』(英・国際戦略研究所主催、朝日新聞社など後援)で2日、南シナ海問題をめぐり、米国と中国が激しい非難の応酬を繰り広げた。軍事拠点化を着々と進める中国に対し、米国側がしびれを切らした形だ。

<中国反発「米が挑発」>

『習近平国家主席は2015年に、<軍事化はしない>とホワイトハウスで言ったのに、1か月前にもそれが起きた』。マティス米国防長官は全体会議の檀上から、南シナ海をめぐる中国の動きを非難した。

中国政府は5月、南シナ海で戦略爆撃機などが離着陸訓練をしたと発表。軍用機による初の訓練とみられている。さらに米メディアは、電波妨害装置や対艦巡航ミサイル、地対空ミサイルなどが南シナ海に配備されていると相次いで報道。マティス氏はこれらにも言及し、『脅迫と抑圧を目的に軍事利用できる』と指摘した。

マティス氏は10日後に初の米朝首脳会談が控えているにもかかわらず、演説と質疑を含めた約1時間のほとんどを中国関連に費やした。当局者によると、演説の原稿はマティス氏自身が書き、当日朝まで推敲を重ねたという。この当局者は『それだけ中国の軍事・経済的脅威に危機感を抱いている表れ』と話す。

5月末には、前回まで招待していた『環太平洋合同演習』(リムバック)への中国の招待を取り消すことを発表。今回の演説でマティス氏は、米軍として『積極的に競合していく』と述べ、中国に対する強硬姿勢をあらわにした。

中国側は収まらない。マティス氏が演説を終えた約2時間後、代表団トップの何雷・中国軍事科学院副院長が報道陣を集め、約10分間にわたって反論した。

何氏は『南シナ海の島々や海域が、中国領土(領海)であることは争う余地がない』と主張。米軍が展開する『航行の自由作戦』を念頭に、『自由航行を掲げて(米国の)戦闘機や軍艦が(領海である)12カイリ内に侵入するのは、中国の安全に影響を与える挑発だ』と非難した。

会議に出席した軍事科学院の趙小卓研究員も『中国は必要な防衛施設を設置しているに過ぎない。これを軍事化と言うなら米軍の駆逐艦派遣は何なのか』と記者団にまくし立てた。中国軍事筋は『売られたケンカに応じただけ』と語った。

だが、中国への厳しい視線は米国だけではない。南シナ海の領有権を争うベトナムのリック国防相は2日、同会議で『すべての当事者、特に大国は責任ある行動をとらねばならない。一方的な行動を避けるべきだ』と述べた。ベトナム外務省は『ベトナムの主権侵害で、国際法に違反する』と強く抗議してきた。

小野寺五典防衛相は2日にあった日米豪防衛相会談の後、記者団に『南シナ海で一方的に現状変更をし、緊張を高める行為には国際社会が一致した声を挙げる必要があるとの認識で一致した』と述べた。

ただ、米国の強硬姿勢が、中国の動きを抑止できるかは不透明だ。東南アジアからの会議参加者の一人は『中国は簡単には変わらないだろう』と話した」。

シンガポールで開催されているアジア安保会議で2日、マティス米国防長官は中国への強硬姿勢を鮮明にした。米朝首脳会談に中国の介入を許さないとの警告である。北朝鮮を中国から切り離し、米国側にシフトさせるために、である。

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