2018年2月1日 読売「バノン氏退場 転機か」「多国間協定に意欲」「トランプ氏『現実路線』も考慮」

読売に「バノン氏退場 転機か」「多国間協定に意欲」「トランプ氏『現実路線』も考慮」が書かれている。

「トランプ米大統領は26日、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)での演説で、環太平洋経済連携協定(TPP)など多国間の貿易枠組みに柔軟な立場を示した。政権発足2年目の『米国第一』主義は、国益の追及とともに、国際協調も進める現実路線へと徐々に変化している。

2国間協定のみを追求してきたトランプ氏の突然の『軌道修正』は、スティーブン・バノン元大統領上級顧問との関係が切れたことなどが背景にあるとみられる。

バノン氏は『米国第一』主義を原理主義のように重視し、国際社会への関与には消極的だった。2017年8月に政権を去ったが、保守系サイト『ブライトバート・ニュース』のトップとして大きな影響力を持ち、TPPや北米自由貿易協定(NAFTA)を非難してきた。しかし、今月発売された政権の暴露本での発言が原因で、トランプ氏との関係は断絶状態となった。

現在、政権で経済政策を担っているコーン国家経済会議(NEC)委員長やムニューシン財務長官はニューヨークの企業家出身で、元々は自由貿易主義者だ。トランプ氏は今回の演説で、『国内の改革と同時に、ルールを守る者で繁栄と見返りを分かち合うため、国際的な貿易システムの改革にも取り組む』と強調。これまでの内向き姿勢を転換したようにも見える。

ダボス会議の主要メンバーである大企業はトランプ氏にとっては米国に投資や雇用をもたらす重要な存在だ。トランプ氏は演説で、聴衆に合わせて表現を使い分けることが多く、今回の演説でも貿易の多極化を望む出席者の意向に配慮した可能性がある。

演説前日の25日に開かれた会合では、アディダスやボルボ、ネスレなど欧州企業のトップがトランプ氏に対し、政権が実現させた大型減税に次々と謝意を示し、米国への積極的な進出状況を説明した。トランプ氏は「素晴らしい」を連発し、企業との良好な関係を印象づけた。ダボス会議に批判的な民間活動団体(NGO)からは『トランプ氏はダボスで<金持ち第一>を売り込んだ』との批判も出ている」。

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