2017年9月27日 毎日「検証」「早期解散麻生氏後押し」「二階氏、山口氏反対せず」「北朝鮮緊迫『年末以降』と判断」
毎日に「検証」「早期解散麻生氏後押し」「二階氏、山口氏反対せず」「北朝鮮緊迫『年末以降』と判断」が書かれている。
「北朝鮮の核実験・ミサイル発射によって国際情勢が緊迫する中、安倍晋三首相が臨時国会冒頭の衆院解散に踏み切る決断を麻生太郎副総理兼財務相に伝えたのは9月10日夜だった。
東京・富ケ谷の私邸に呼ばれた麻生氏は改めて首相に早期解散を進言した。
『追い込まれて解散して勝った試しはない。解散を見送れば政権運営のハンドリングが難しくなる』
麻生氏は自身が首相だった2009年7月、衆院任期切れ直前の『追い込まれ解散』で政権を失った苦い経験から、これまでも早期解散を主張してきた。
臨時国会を28日に開いて冒頭に解散すれば、衆院選の日程は10月10日公示・22日投開票が想定される。懸念材料は北朝鮮情勢だが、首相は麻生氏に伝えた。
『中国共産党大会が開かれる10月中は大きな動きはないだろう。(冒頭解散なら衆院選後の組閣は11月初旬の)トランプ米大統領の来日にも間に合う』
首相には外務省などか『国連の対北朝鮮制裁の効果が表れる年末以降に北朝鮮情勢は緊迫する』との分析が寄せられていた。
首相の解散判断を後押ししたのは、自民党が8~10日に行った衆院選情勢の調査結果だった。現有286議席から『12~30議席減』となるが、自民党単独で過半数は維持する――。
民進党は前原誠司新代表が幹事長人事でつまずいて『離党ドミノ』が止まらず、『小池新党』も候補者擁立作業に入ったばかり。国会審議が始まれば、野党が加計学園問題などで攻勢に出て内閣支持率が再び下落する恐れがある。『この機を逃せばさらに議席を減らしかねない』との焦燥感が自民党幹部にも広がった。
首相は11日、自民党の二階俊博幹事長、公明党の山口那津男代表と首相官邸で相次いで会談し『臨時国会中の解散』を模索する考えを伝えたうえで13日、インド訪問に旅立った。
このとき首相は『冒頭解散』には踏み込まず、政権内の反応を探った。
早期解散に一貫して慎重だったのは菅義偉官房長官だ。菅氏の解散戦略は来年の通常国会で憲法改正案の発議まで持ち込み、9月の自民党総裁選で安倍首相が3選を果たした直後に解散するシナリオ。菅氏の周辺は『麻生、二階、山口氏のうち一人でも反対と言えば、首相は考え直したかもしれない』と漏らす。
首相はインドから帰国した15日、冒頭解散の意向を菅氏らに告げ、ロシア訪問中の山口氏に連絡。公明党の支持母体・創価学会は17日に方面長会議を開き、10月衆院選の準備に入った。
北朝鮮情勢をにらみながら、政権維持への賭けに出た首相は周辺にこう語る。『衆院解散のタイミングについては常に考えているけど、今回の解散は前から考えていたわけではない。北朝鮮情勢が一層緊迫化すれば、来年の解散が見通せなくなるからね』」。
電撃解散の決め手は、戦後最大の国難である。国連の対北朝鮮制裁効果が表れる年末以降に北朝鮮情勢が緊迫する。その前に安倍1強の再構築を、である。前原氏、小池氏に国難突破ができるのか。