2013年10月25日
朝日に「農業生産法人『要件を緩和』」「国家戦略特区、農水相が意向」が書かれている。
「安倍政権の農業改革が本格化し始めた。林芳正農林水産相は22日、農地を借りるだけでなく取得することもできる『農業生産法人』について、企業などを認定する際の経営面の要件を国家戦略特区で緩和する意向を示した。生産者の高齢化が進む国内農業の活性化をめざすものだが、生産者団体や農水省には慎重意見も根強くある。
林農水相はこの日の衆院予算委員会で、『(規制緩和は)4つの(提案の)うち4つある』と説明し、農業生産法人を含めた農業の規制緩和を進める意向を示した。日本維新の会の山田宏議員の質問に答えた。
4つの提案とは、国際戦略特区の有識者の作業部会が検討しているもので、『農家レストラン』を設置できる場所の拡大と、一部の農家に信用保証制度を適用することは、18日の日本経済再生本部(本部長・安倍晋三首相)で決まった。
その際、農業生産法人の要件緩和と農業委員会の業務見直しは、農水省などの抵抗を受けて『早急に検討する』にとどまった。林農水相は積み残した2つの提案についても、『政治決断』で特区関連法案に盛り込みたい考えだ。
企業が農地を購入、取得できる農業生産法人になるためには、売上高の半分超が農業(加工・販売なども含む)であることや、役員の過半数が農業関連従事者で、4分の1超が実際の農作業に携わっている必要があるなど、細かい要件がある。
新たに農業に参入したい企業側からすると、農作業に従事する役員を確保するのは簡単ではない。役員が農作業をしていると、経営上の実務がとどこおりかねないほか、高齢化などで人材が減っていることもある。政府が企業や自治体に要件緩和のアイデアを募集したところ、農業に従事しているなどの要件を撤廃する案が複数、集まった。
農業生産法人は今年1月時点で1万3561法人ある。うち株式会社は2割強の3169法人で、経営が軌道に乗り、上場が可能になれば、経営の大規模化を進めることもできる。安倍政権は農業改革を進めることで、加工や販売と一体化した『6次産業』と呼ばれる農業の規模を2020年までに10倍の10兆円とするなどの目標を掲げている。だが、企業の農地取得が進むと、採算がとれない場合に農業から撤退してしまい、かえって農地が荒れかねないと懸念する意見もある」。
岩盤規制の本丸である企業の農地取得の禁止に、風穴が開こうとしている。国家戦略特区においてである。林農水相の政治決断によってである。