2017年3月8日 産経「民進、はや『蓮舫後』」「原発、改憲期待外れ、都議選 引責見越し」
産経に「民進、はや『蓮舫後』」「原発、改憲期待外れ、都議選 引責見越し」が書かれている。
「民進党内で『ポスト蓮舫』に向けた動きが活発になりつつある。東京都議選(7月2日投開票)で同党候補の苦戦が予想され、選挙後に蓮舫代表の責任論が高まるとの見方が広まっているからだ。こうした中、原子力発電政策や憲法改正への動きをめぐり、執行部内でも足並みの乱れが顕在化。背景には蓮舫氏の降板後の党内政局をにらんでいるとの見方もある。
『冗談じゃない!』『あり得ない!』
3日朝、国会内で開かれた民進党のエネルギー環境調査会は怒号に包まれた。
調査会の玄葉光一郎会長は会合で、12日の党大会で発表予定の新しいエネルギー政策案を提示。蓮舫氏がこだわってきた『2030年原発ゼロ』などは採用せず『原発ゼロ基本法案の国会提出』などを盛り込んだ簡素な内容だった。玄葉氏は『じゃあこれで…』と切り出したが、それでも原発再稼働を容認する労組関係議員らから激しい反対の声が上がった。
<党内対立収取できず>
党内対立は前日の調査会から表面化していた。
旧民社党系グループの高木義明元文部科学相は『ゼロを書き込む法案などとんでもない』と激怒。電力総連出身の小林正夫参院議員が調査会の目的を確認しようと発言すると、玄葉氏が『またか』とつぶやき、小林氏が『じゃあ、しゃべらねえ!』と怒鳴ってマイクを置く一幕もあった。
結局、調査会は結論を先送りしたが、党大会までの意見集約は容易ではない。
エネルギー政策をめぐる混乱は、蓮舫氏が1月下旬、これまで党公約として掲げてきた『2030年代原発ゼロ』を『2030年』に前倒しする方針を示したことに始まる。
蓮舫氏は昨年9月に党代表に就任したものの政党支持率は1桁台の低空飛行を継続。『2030年』の新機軸は、蓮舫氏が起死回生の切り札としてこだわったものだった。
しかし、原発再稼働容認派や連合組織内議員が猛反発。蓮舫氏は2月下旬に方針を撤回したが、今度は逆に脱原発派が『ゼロをもっと早く打ち出すべきだ』と騒ぎ、混乱を収拾できない事態に陥った。
<盟友とも足並み乱れ>
対立は原発政策だけではない。次期衆院選の目玉公約に位置づける教育無償化と憲法改正との関係をめぐっては、執行部内でも足並みが乱れている。
細野豪志代表代行は2月20日、教育無償化について『教育を最重要と考えるのであれば、憲法に書くのは自然な話だ』と記者団に強調。蓮舫氏は同月16日の記者会見で「憲法改正しなければ無償化できないというものではない」と述べており、相違が鮮明となった。
細野氏は自らの派閥『自誓会』で独自の改憲試案を練っており、4月に発表予定。蓮舫氏の憲法改正に向けた動きが鈍いことにしびれを切らしたもので、両氏の溝は深まりつつある。
自誓会(約15人)が離反すれば、蓮舫氏を支える主要勢力は野田佳彦幹事長のグループ『花斉会』(約10人)だけとなり蓮舫体制の基盤は大きく揺らぐ。
当初党内には『蓮舫氏に代わる代表候補はいない』(閣僚経験者)との観測もあった。しかし、7月予定の都議選をめぐっては、連携を模索してきた小池百合子東京都知事が民進党との候補者調整を断り、戦況が一気に悪化。東京選出の参院議員でもある蓮舫氏の責任論が浮上することは避けられず、にわかに『ポスト蓮舫』論が活性化している。
党内では、昨年9月の代表選で次点となった前原誠司元外相が、連合組織内議員に強い影響力を持つ赤松広隆前衆院副議長と接近。また、前回の代表選に出馬した玉木雄一郎幹事長代理を推す声も強まっている。民進党はいつもの『政局の季節』に突入している」。
7月の都議選での民進党惨敗は必至であり、蓮舫代表の引責辞任可能性ありとなる。ポスト蓮舫で前原氏VS玉木氏の争いとなるが、いずれが勝っても野党共闘は後退となり、支持率上がらずとなる。