2013年10月5日
朝日に「消費税4月8%決定」「増税の先に」「10%首相『必要あるか』」が書かれている。
「9月10日、首相官邸。来年4月の消費税率引き上げをめぐり安倍晋三首相、菅義偉官房長官ら4閣僚が顔を突き合わせた。首相の目の前に示されたのは、2閣僚がそれぞれ持ち込んだ二つの資料。増税による成長率の落ち込みは経済対策でどう推移するか。それを示した折れ線グラフだった。麻生太郎副総理兼財務相が示したのは、景気の落ち込みを財政出動で補う財務省シナリオ。一方、甘利明経済再生相は、落ち込みの軌道を上回るには成長戦略が不可欠とする経済産業省シナリオを示した。
首相は迷わず後者を選んだ。『成長戦略を含めた経済政策パッケージをとりまとめてほしい』。増税を逆手に取り、アベノミクスを推し進めようと考えた。その具体策として、首相は復興法人税の廃止に照準をあわせ、法人実効税率の引き下げにも切り込もうとする。企業重視との批判も予想されるなか、首相は盟友の麻生氏に語りかけた。『今すぐ選挙があるわけじゃないんだから、3年後にちゃんと景気がよくなっていれば問題ない。今どうとられるかは小さな話だ』。
3年後とは、首相が視野に入れる2016年夏の衆参ダブル選挙を指す。当面は世論に大きく左右されず、フリーハンドで政権を運営できるとの判断だ。
ただ、15年10月に予定される8%から10%への消費増税第2弾は事情が違う。この時期、首相が念頭に置くダブル選挙まで残り1年を切る。予定通り2%引き上げるか、変更するか。逆算すると、来年度末までには決断の時期がやって来る。15年9月には自民党総裁の任期も満了になる。
『2%上げる、と来年度に決めるのは無理だ』と首相側近は明言する。首相も最近周囲にこう漏らす。『経済をよくして税収を増やし、国の借金を減らすほうがいい。そんなに消費税を上げる必要があるだろうか』」。
安倍首相の言う「経済を良くして税収を増やし、国の借金を減らすほうがいい。そんなに消費税を上げる必要があるだろうか」は、正論である。15年10月に予定されている10%への消費増税は必要ないとの意味である。15年4月に最終判断となるが、4月は統一地方選、9月は総裁選、16年7月にはダブル選である。政治日程からして、2%引き上げは無理となるが。