2016年8月25日 産経 主張 「シールズ解散」「勝利まで戦い続けては」

「ネット世代の若者たちからNO」

産経の主張に「シールズ解散」「勝利まで戦い続けては」が書かれている。

「政府与党が作った安全保障関連法への反対などを訴えてきた学生団体『SEALDs(シールズ)』が解散した。

7月の参院選では野党4党と連携して安保法廃止を訴えたが、与党の大勝を許した。若者が声をあげることに一定の評価は惜しまない。解散などせず、『真の勝利』を目指して戦い続けてはいかがか。

大学生らが中心となって平成27年に結成され、安保法の法案審議中には、国会周辺で反対デモを開いた。既成政党や労働組合に属さない若者主体の新しい市民運動としてもてはやされた。

もともと、有力メンバーは昨年10月、参院選で野党統一候補を支援した後に解散すると表明していた。しかし、主張が有権者の多数には伝わらなかったから、参院選に敗れた。その十分な『総括』がないままでの解散には、物足りなさを感じる。

運動の形態はともかく、肝心な主張が、冷戦時代から続く『古い左翼』の典型だったから敗れたのではないか。

シールズとは『自由と民主主義のための学生緊急行動』の英訳の略称だが、自由と民主主義を守るには、日本の独立と安全を確保することが大前提だ。

現実の安保環境を敏感にとらえる国際的視野が決定的に欠けていた。中国は東・南シナ海での拡張主義的行動をやめず、北朝鮮は核・弾道ミサイル開発を強行している。安保環境を冷静に見据えれば、日米同盟の抑止力を高め、日本の平和と繁栄、国民の生命を守る態勢を整えるしかない。

しかしシールズは、厳しい国際社会の現実から目を背け、冷戦時代の古い憲法解釈にこだわり、国民を守る現実的手立ては論じなかった。昔ながらの左翼陣営の特徴と共通する。

これでは平和を乱す国が喜ぶばかりで、有権者の共感が広がらなかったのは当然だろう。

シールズのデモには冷戦期以来の左翼陣営の主張を懐かしむ高齢者も詰めかけた。一部マスコミは『若者世代の代表』のようにしきりに報じたが、事実と異なる。

参院選の共同通信の出口調査で18、19歳の比例代表投票先のトップは自民党の40%で、全世代平均の38・2%より多かった。20代も同様で自民43・2%だった。野党4党も若者代表と誤認したなら、その目測力を疑うしかない」。

主張の主旨である「『勝利』まで戦い続けては」は、正論である。シールズが訴えた安保法廃止の主張が7月の参院選での与党の圧勝、野党共闘の大敗で、国民に拒否されたことが明らかになったからである。参院選の共同の出口調査で18,19歳の比例代表投票先のトップは自民党の40%、20代も同様に自民43・2%となっている。シールズの安保法廃止の主張は、若者の共感を呼ばなかったとなる。

問題は、その理由である。厳しい現実の安保環境に目を背けているからである。ネット世代の若者たちは、新聞ではなく、ネットで日本を取りまく、厳しい安保環境という「中国の脅威」をどの世代よりもより知っているからである。朝日を中心とする偏向メディアに毒されていない。ネット世代の若者たちから見れば、シールズ自体が異質であり、非現実的であり、共産党そのものとなるが。シールズは若者の共感を得ることに失敗したから、敗北となり、解散したとなるが。

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