2016年7月8日 日経「参院選終盤情勢」「改憲勢力3分の2に迫る」「自民、単独過半数も視野」「民進、巻き返し苦戦」
日経の「参院選終盤情勢」に「改憲勢力3分の2に迫る」「自民、単独過半数も視野」「民進、巻き返し苦戦」が書かれている。
「日本経済新聞社は10日投開票の参院選を前に世論調査を実施し、取材情報を加味して終盤情勢を探った。自民党は序盤の勢いを維持して50議席台後半に届き、非改選と合わせて単独過半数となる57議席をうかがう。与党で改選過半数の61を上回り70議席程度の状況。安倍政権下での憲法改正に前向きな『改憲勢力』は非改選と合わせ国会発議に必要な3分の2に迫る情勢だ。民進党は巻き返しに苦戦している。
調査は3~5日に日経リサーチが電話で実施した。公示直後の6月22~23日の序盤情勢に続き2回目。
序盤情勢の調査後、英国が欧州連合(EU)離脱を決めて円高・株安に振れ、バングラデシュでは日本人7人が死亡する襲撃事件が発生。選挙戦への影響が注目されたが、自民党が選挙区、比例代表ともに優位な状況に変わりはない。
改憲の発議は参院では定数(242)の3分の2の162議席が必要。自公と改憲に前向きなおおさか維新の会、日本のこころを大切にする党の非改選は合計で84。今回の4党の獲得見込み議席を合わせると3分の2に必要な78に迫る情勢だ。日本経済新聞の取材では非改選の無所属のうち井上義行、松沢成文、渡辺美知太郎の各氏ら3~4人は改憲に賛成でこれを加えると3分の2を超える。
自民党は、選挙戦を左右する32の1人区(改選定数1)の7割、20以上の選挙区で優位に戦いを進める。民進、共産、社民、生活の野党4党は全1人区で統一候補をたてたが、効果は限定的だ。
序盤に野党がリードしていた1人区のうち、三重、大分では自民党候補が逆転した。秋田、岐阜、岡山では野党候補をさらに引き離した。
自民党は、改選定数2~6の複数区は2人擁立した北海道、千葉、東京でいずれも1人が先行し、2議席目を狙う。比例代表は2013年の前回参院選並みの18程度が有力。非改選と合わせ、27年ぶりの単独過半数をうかがう。
公明党は改選9から大幅に上乗せする見通し。新進党分裂から再結成後過去最多だった01年の13議席越えもうかがう。
野党は、1人区のうち長野で序盤の劣勢を逆転したが全国的に押されている。複数区では野党同士が当落線上で争う構図が目立つ。定数4の神奈川では自公がそれぞれ先行し、民進党の2人と共産党、与党系無所属の4人で残り2を争う。大阪、兵庫も自民党が引き離す一方、民進党、共産党は公明党やお維新と競う。
民進党は、民主党として戦った前回の17は上回るが1人区の劣勢が響き、改選45の3分の2程度に減らす状況だ。共産党は改選3から大幅に増え、現行の選挙制度になった01年以降で最多だった前回の8を上回る可能性がある。
おおさか維新は地盤の関西で強みを見せる。大阪で2議席をうかがい、兵庫でも議席を争う。社民党は比例代表で1議席を得る可能性があり、生活の党、こころ、新党改革は議席獲得を目指す。調査は全国の有権者5万9516人を対象に、3万3312人から回答を得た。回答率は56%。有権者のうち選挙区で3割、比例代表で2割が投票先を決めておらず、流動的な要素がある」。
日経の終盤情勢調査で、「自民党単独過半数の57議席も視野」「改憲勢力3分の2に迫る」となった。公明党が13議席を視野に入れ、自公で70議席が可能となったからである。非改選の無所属のうち3人以上が改憲支持を表明し、改憲勢力で78議席のハードルが75議席に下がり、おおさか維新は5議席確保の見通しだからである。改憲勢力3分2が現実のものとなる。