2015年10月13日 産経「歴史戦」「政治利用許したユネスコ」「『南京』登録日本、無効狙い反論へ」
産経の「歴史戦」に「政治利用許したユネスコ」「『南京』登録日本、無効狙い反論へ」が書かれている。
「国連教育科学文化機関(ユネスコ)記憶遺産に中国が申請していた『南京大虐殺文書』が登録された問題は、中国の日本攻撃にユネスコが政治利用されたものといえる。
今後、中国側が登録申請した具体的な文書が公表される。日本側は『第2ラウンド』として文書が歴史的事実に即した真正の文書であるかを検証する。日本側は、中国側の文書は『歴史的な検証に耐えられるものではない』とみており反論していく構えだ。
政府関係者は『今回の登録は極めて政治的な判断だ。内容次第では<南京大虐殺文書>の登録を無効にできる議論まで持ち込む可能性も残されている』と語る。その上で、登録された後でも『日本の主張を言い続けることがもっとも大事だ』と強調する。
<門外漢の委員も>
2年に1度の記憶遺産登録の鍵を握るのは、ユネスコのイリナ・ボコバ事務局長が任命する14人からなる国際諮問委員会(IAC)だ。申請案件を審査し、その結果を事務局長に勧告する役割を持つ。
14人は『公文書保管の専門家』というのが表向きの説明だが、実際は『ユネスコの事業職出身者のような門外漢もいる』(ユネスコに詳しい関係者)。委員就任にあたっては出身国からの推薦もない。
委員の半分は2年で交代するしくみで、今回も8月に半数が交代したばかり。新任委員は10月4~6日のIACまでにおよそ90の申請案件に目を通さなければならなかったことになる。
審査の結果、IACは『南京大虐殺文書』を認め、『慰安婦関連資料』は認めなかった。もともと日本側は『中国の“本命”は南京で、慰安婦は“捨て駒”』とみていた。慰安婦は韓国などと連携して登録申請する道が残されているからだ。委員もこの認識を共有していたとみられる。
日本側の見方が正しかったことは、審査結果で裏付けられた。ユネスコに詳しい関係者は『IACが中国の意向をくんで、中国と日本の双方の顔を立てるために“一勝一敗”とした』と解説する。結果は政治的判断だったのだ。
IACの勧告を承認し、登録を最終的に決定したのはボコバ事務局長だ。日中双方から働きかけを受けており、自身の判断がもたらす影響をわかっていたはず。日本政府関係者は『保留することもできたが、結局は自身の判断で登録が決まった』と語り、ボコバ氏の了承もまた、政治判断だったとの認識を示した。
<抗日行事に参加>
ボコバ氏はブルガリアの元外相。中国と良好な関係にあることは国連関係者の間では有名だ。9月には北京での抗日戦争勝利記念行事にも出席した。
9月の訪中の際には、習近平国家主席夫人と会談し、中国がアフリカなどでの女子教育普及を積極的に支援していることに謝意を伝えた。国際機関の資金づくりが厳しい状況で、中国は貴重な存在だ。次期国連事務総長の有力候補でもあり、国連安保理常任理事国の中国の支持が不可欠なことは言うまでもない。
ユネスコに詳しい関係者は『ボコバ氏は共産圏で育った人物。日本側はボコバ氏が私たちと同じ価値観を持つと思って働きかけていたが、それは間違いだった』とも語る。
ある外務省幹部はこう漏らす。『ユネスコ事務局長にはキャリア最後のお勤めとして仕事してもらいたい。事務局長が国連事務総長を狙うとユネスコが出世のための踏み台として政治利用されてしまう…』」。
ユネスコのイリナ・ボコバ事務局長は、新中国派であり、次期国連事務総長の有力候補であるという。中国の「歴史戦」の代理人としての政治判断をしたことになるが。日本は制裁として、ユネスコへの分担金、世界第2位の37億円を見直すべきである。