2013年6月23日
「週明け、円安・株高基調に」
毎日に「荒れる相場、神経戦」「円乱高下、週明け日銀対応注視」が書かれている。
「5月の米雇用統計の発表を受けて、先週末のニューヨーク外国為替市場の円相場は乱高下の後、円安が進み、米株式相場は大幅に上昇した。米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和策を早期に縮小するとの懸念が後退したためだ。
市場には、足元で進んだ『円高・株安』の動きがいったん収束するのではないかとの期待も出ているが、緩和策縮小を巡る市場の思惑次第では再び市場が揺れ動く可能性もある。今後も予断を許さない展開が続きそうだ。
バーナンキFRB議長が5月22日の議会証言で、早期の緩和縮小を示唆して以来、為替や株式市場は乱高下する展開が続いていた。そうした中発表された雇用統計は、非農業部門の就業者が17万5000人増、失業率が0・1ポイント上昇の7・6%とほぼ市場の予想の範囲内。
しかし、数字の評価や緩和策の解除時期をめぐる思惑が交錯し、発表直後にドル売り・円買いが加速。一時1ドル=94円台に突入したが、米株式市場が大幅上昇すると一転してドル買い・円売りが強まり97円台まで円安に振れた。
米調査会社のIHSグローバル・エコノミスト、ナリマン・ベーラベシュ氏は『この雇用統計ではFRBは量的緩和を縮小しそうもない』と指摘し、早期の緩和縮小は後退したとの見方を示した。
ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次チーフエコノミストは『ドルより金利の安い円を売る動きが強まる』との見方を示す。国内株式市場は先週、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人が株式の運用割合を増やすことを発表、株価を下支えしたが、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸典弘投資情報部長は『米長期金利に連動して日本の長期金利が上昇する懸念があり、その場合は株価は伸び悩む』と指摘する。
10~11日には日銀金融政策決定会合が開かれ、市場安定化策を打ち出すかが注目される。長期金利が急上昇した場合、金融機関に低金利資金を貸し出す期間を2年以上に延長することを検討する見通しだが、矢嶋氏は『日銀の対応策が出なければ、金利が上昇する恐れがある』。18~19日には米連邦公開市場委員会が開かれ、緩和策の縮小時期を巡り、市場が神経質に動く可能性もある」。
7日の欧米株はいずれも大幅高となった。5月22日以降、世界の金融市場を不安定させた米国の量的緩和政策の解除観測が、7日発表の米雇用統計で後退したからである。それを受けて、週明けの東京市場でも大幅高は必至となる。「円高・株安」が、「円安・株高」基調に転じるのである。3週間の「調整局面」を脱するのである。市場は安定相場に戻る。
問題は、14日の成長戦略の閣議決定に、法人減税が明記されるか、である。企業の設備投資を促進させる切り札であるからだ。設備投資が動けば、雇用・賃上げにつながるからである。財務省が抵抗する法人減税を断行するには、首相の政治決断以外にない。