2014年10月19日 読売 社説 「慰安婦問題」「韓国も自らの足元を見つめよ」
慰安婦問題で日韓和解の好機」
読売の社説に「慰安婦問題」「韓国も自らの足元を見つめよ」が書かれている。
「重要な証言が明らかな誤りと分かった以上、修正するのは当然だ。1996年に慰安婦問題に関する国連報告書をまとめたスリランカ人法律家、クマラスワミ氏に対し、日本政府が、報告書の吉田清治氏の証言部分の撤回を申し入れた。
多くの朝鮮人女性を慰安婦として強制連行したとする吉田証言は報告書作成時から疑問視されていた。最初に報じた朝日新聞も今年8月、虚偽を正式に認めた。クマラスワミ氏は、撤回に応じなかった。吉田証言は『証拠の一つにすぎない』と主張している。首をかしげざるを得ない。
報告書で、元慰安婦を除けば、吉田氏は強制連行を認めた唯一の証言者だ。それが虚偽であることは、当事者以外の客観的証拠がないことを意味する。『証拠の一つ』との主張は説得力を欠く。
菅官房長官は『国際社会において、我が国の考えを粘り強く説明し、理解を得たい』と語った。強制連行を裏付ける証拠は存在しないという日本の立場を、強力に世界に発信することが大切だ。
人権問題を扱う国連総会第3委員会では、韓国大使が慰安婦問題について『今も解決していない紛争時の性暴力の主な事例だ』と日本を批判した。慰安婦問題を取り上げたのは4年連続だ。
だが、慰安婦を含む日韓間の請求権問題は、1965年の国交正常化により国際法上は『解決済み』だ。政府は、アジア女性基金を設置し、韓国人約60人を含む285人に『償い金』も支給した。第3委員会で日本側は、朝日新聞が吉田証言の誤りを認めたことにも言及し、韓国に反論した。
そもそも、韓国が、日韓2国間の問題を国連の場に繰り返し持ち出すこと自体が異様である。『性暴力』を問題視するなら、韓国国内はどうなのか。今年6月、在韓米軍を相手にしていた『米軍慰安婦』らが、売春を強要されたなどとして国家賠償請求訴訟を起こした。支援団体によると、韓国政府が米軍専用の特定地域を設置し、慰安婦の管理なども行っていたという。
ベトナム戦争に派遣された韓国兵士らがベトナム人女性との間にもうけて、現地に残した子供は5000~3万人とされる。売春や強姦の例も含まれ、『日本に執拗に道徳的責任を問いながら、我々の暴力について免罪符を主張するのは自己欺瞞』とするコラムを掲載した韓国紙もある。韓国は、自らの足元を見つめるべきではないか」。
社説の結語である「ベトナム戦争に派遣された韓国兵士らがベトナム人女性との間にもうけて、現地に残した子供は5000~3万人とされる。売春や強姦の例も含まれ、『日本に執拗に道徳的責任を問いながら、我々の暴力について免罪符を主張するのは自己欺瞞』とするコラムを掲載した韓国紙もある。韓国は、自らの足元を見つめるべきではないか」は、正論である。
人権問題を扱う国連総会第3委員会で、「吉田証言」が虚偽だと分かったのに、韓国大使が「慰安婦問題」について「今も解決していない紛争時の性暴力の主な事例」だと4年連続で日本を批判した。1996年の慰安婦問題に関する国連報告書をまとめたクラマスワミ氏が、日本政府からの吉田証言部分の撤回の申し入れを「証拠の一つにすぎない」と拒否したからである。
問題は、「強制連行」を認めた唯一の客観的証拠が吉田証言のみであることだ。あとは、当時者である元慰安婦の証言のみである。その唯一の客観的証拠が虚偽となった以上、「強制連行」の根拠が崩れ、国連報告書の正当性が問われているのである、証言撤回は時間の問題である。韓国政府はどうするのか。慰安婦問題の核心である「強制連行」撤回に追い込まれるのは必至となる。自らの足元を見つめれば、日本の「強制連行」を批判できる資格がないことが分かる。「慰安婦問題」で、日韓が和解する好機である。安倍首相は、11月のAPECでの日韓首脳会談実現を目指すべきである。