2014年7月30日 読売「スキャナー」 「沖縄県知事選、辺野古巡り保守分裂」「仲井真氏、公明票『離反』」「翁長氏、反対派を結集」
読売の「スキャナー」に、「沖縄県知事選、辺野古巡り保守分裂」「仲井真氏、公明票『離反』」「翁長氏、反対派を結集」が書かれている。
11月16日投開票の沖縄県知事選で、現職・仲井真弘多知事(74)が26日、自民党県連からの3選出馬要請を受託した。米軍普天間飛行場の同県名護市辺野古移設に反対する元自民党県連幹事長の翁長雄志・那覇市長(63)も共産、社民両党などと共闘して出馬する意向だ。自民、公明両党は、党本部と県組織に温度差が生じており、保守分裂への対応に苦慮している。
<「勇退」一転>
『県民のために知事選に向かって頑張っていく』。仲井真氏は26日、那覇市内の知事公舎で、要請に訪れた自民党県連幹部らに対し、結意を表明した。
普天間移設に話が及ぶと、『世界一危険だと言われている普天間飛行場の問題を解決する最短の方法だと信じている。早く終わりにする』と声を高ぶらせた。
仲井真氏は当初、辺野古の埋め立てを承認したことで、『普天間の危険性除去』という宿願に一定の道筋を付け、勇退する考えだったとされる。事情を一変させたのが『反辺野古』を掲げた翁長氏の出馬の動きだ。
那覇市長4期目の翁長氏は、自民党沖縄県連の幹事長を務めた保守派で、前回知事選では仲井真陣営の選挙対策本部長を務めた。『ポスト仲井真』の最有力と目されていたが、昨年末に辺野古移設の容認に転じた仲井真氏と離反。辺野古移設反対の立場で革新系都も共闘して知事選に出馬する意向を示している。
26日には、県内の野党系6団体で作る知事選の候補者選考委員会が会合を開き、翁長氏を候補予定者に決めた。翁長氏は同日夕、『県民の心を一つにして問題解決しようという姿勢を理解いただいたのかなと思っている。要請をしっかり受け止めて検討したい』と記者団に語った。
翁長氏の反乱を受け、仲井真氏は、ようやく道筋がついた移設問題が再び混迷しかねないとの危機感を強め、『闘志に火がついた』(知事周辺)と言う。自民党県連も、『組織の存亡をかけて県外移設から辺野古容認に転じた』(幹部)だけに、翁長氏の動きに強く反発。『承認への批判はあるが、知名度や実績がある現職しか勝負にならない』として、仲井真氏に3選出馬を求めた。
ただ、与党の公明党見本部は、辺野古移設に反対したままで、仲井真氏への支持は困難だとしている。公明票の多くが翁長氏に流れるとの見方も強い。自民党の石破幹事長は26日、鳥取市内で記者団に『見連からいきさつなどを説明いただき、政府とも相談しながらなるべく早急に対応を決めたい』と語った。
<党本部と「ねじれ」>
自民党本部や政府の中には、『辺野古移設の功労者で仲井真氏が出馬を決めれば、支援しないわけにはいかない』と意見がある一方で、『公明党との共闘が知事選勝利の絶対条件だ。知事選で敗れ、政権がダメージを受けることは何としても避けなければならない』として、翁長氏への相乗りを模索する声がある。
石破氏は同日夜、公明党の井上幹事長と共に、自民党県連や公明党県本部の幹部と東京都内で会談。公明党側が、仲井真氏支援に改めて難色を示したという。翁長氏はこうした動きも踏まえ、埋め立て承認の撤回まで踏み込むかどうかは、曖昧にしている。都事選では、下地幹郎・元郵政改革相(52)も立候補の準備を進めている。下地氏は、衆院沖縄1区(那覇市など)が選挙地盤で、『地盤が重なる翁長氏の票が割れる可能性がある』(自民党幹部)との見方も出ている」。
沖縄県知事選で保守分裂が決定的となり、政府・与党の中では、仲井真氏への支持を止め、翁長氏に相乗りをする動きがある。共産・社民を中心とする野党の思うつぼである。「共産党」の得意とする戦略・戦術である国共合作の罠にはまることになる。政府・与党は、仲井真氏を擁立して断固戦わねばならない。仲井真氏が劣勢なのは当然である、自民支持層の一部が、公明支持層の大半が翁長氏に流れているからである。仲井真氏が勝つには、自民支持層と公明支持層の思想武装が急務となる。沖縄県の民意に浸透した朝日の「戦争への道」の論理に打ち勝つことが必須となる