2024年8月5日 為替黎明期 投資のゆくえ

アメリカFRB(米連邦準備制度理事会)が利下げを示唆するなか、日銀は利上げを決断した。アメリカのインフレが落ち着いてきたと判断するパウエル氏は9月に金利引き下げを検討する可能性があると発言した。7月末時点では政策金利5.25~5.50を維持していたが、FOMCの発表では最近はインフレが緩和してきた傾向との認識のようだ。

次回は9月にあるFOMCでの利下げの可能性を示しているのであろう。ECB欧州中央銀行やEU主要中央銀行は利下げに踏み切っている。様々な要因はあるが対円為替市場は円高に進んでいる。また東京株式市場の日経平均株価は今年最大の大幅な下げ幅になっている。思い起こせば1987年の自動売買システムが引き起こしたブラックマンデーに続く下げ幅だ。

日本に於いては、年明けに新NISAがスタートして政府あげてPRをしてきた。各証券、銀行などの金融機関では投資セミナーがオンラインを含め連日行われ大盛況であった。利益に対して税金がかからない魅力に、小生の周りでも我先に全世界株式シリーズを中心とした海外株式などに老後資金の一部を投資していた。無税のメリットが得られるのは投資利益が出た場合であり、償還時に損失が出れば本末転倒な話なのだが。

今回のボラテリティは一時的な円高なのか、今後円高へトレンドシフトしていくのか将来の為替動向は分からないが、年頭からの新NISA投資信託の海外株式投資は当時の円安で為替変換している筈なので、円高になれば一喜一憂する事になる。若い方で時間を味方に付けたり、投資経験豊富でリスクを許容出来る方は良いが、退職後の資金を投資検討する方は慎重に判断してほしいと感じる。金融機関は手数料が少ないのであまり勧めないであろうが、少額積み立てや為替リスクのない日本債券や日本の株式が良いのではと小生の先輩方とは話している。

政府は貯蓄より投資に促す事により、結果株価も上昇し経済全般に良い影響があると考えているのだろうが、100年安心と明言した年金制度の充実にも資力と広報を発揮して欲しい。

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