2024年1月25日 派閥のゆくえ・党を二分
自民党派閥の政治資金問題で安倍派に端を発して各派にも飛火していった還流未記載問題。今後は麻生派、茂木派、森山派の動向が注目される。岸田首相を本部長とした政治刷新本部での中間報告が出されたが、解散と存続で揉めそうな感じだ。
森山派の森山会長は会見で「我派は告発を受けている訳でもなく、今後は党の議論の経過も見ながら決めたい」と述べている。同じ様に麻生派、茂木派も刑事告発を受けている訳ではない。岸田首相は派閥によるパーティー禁止、政治資金収支報告書の外部監査、派閥からの内閣・党役員人事への推薦介入禁止などを上げている。
岸田首相としては国民向けにある程度納得のいく厳しい内容でないと、支持率は下降の一途をたどるし、自民党総裁選を意識すると対応次第で党内が割れてしまえば自らの進退も危ぶまれる。自らの出身派閥も問題があるので、難しい対応に迫られているだろう。思い起こせば30年前の贈収賄事件を契機にまとめられた「政治改革大綱」を読み直してみれば、大きな改革をしなくても今般の事案に通ずる内容が提言されている。決めた事を守ってこなかっただけである。
この他にも、政策活動費なるものも分かりにくい側面がある。政党から議員個人に渡す金であるが、使途を報告する義務がない。また議員個人への企業・団体献金は禁止だが、議員が代表の政党支部などは受けられる。実質的には自身の選挙区で支部長であり限りなく一体化している。この様な事態で政治不信は増大していくであろうし、有権者も諦めムードで投票率も下がっていけば民主主義の危機である。
自民党は政権与党として目先の選挙だけでなく、日本の将来を見据えた視点を持ってほしい。派閥云々を論じるのではなく、政策集団として残せば良いし、国民が疑念を抱くのは、金の出入りがガラス張りになって無く特に使途目的を明確にして有権者が確認出来るようにすべきであろう。国会議員の選挙管理人化してる地方議員に於いても地方支部を含めて改革が必要に思う。