2021年8月29日 菅義偉首相のワクチン戦略が奏功、自民総裁選、衆院選連勝へ

22日投開票の横浜市長選は、立民推薦の元横浜市立大教授の山中竹春氏が菅総理が支 援した元国家公安委員長の小此木八郎氏に、およそ18万票の大差をつけて当選した。菅 義偉首相の地元で大敗は、自民党総裁選や衆院の解散を巡る首相の戦略を直撃し、逆風と なった。相次ぐ自民党の連敗で、若手議員から菅首相では選挙の顔になれないとの声が高 まり、フルスペックの総裁選を先行せざるをえなくなったが、大敗の敗因を客観的に分析 することが肝要となる。敗因の第1は、自民党が分裂したからである。小此木氏32万5 947票、林氏19万6926票となったが、総計52万2873票となり、山中氏の5 0万6329票を1万6000票越えている。オウンゴールである。第2は、コロナの感 染拡大、新規感染連日1000人台が、小此木氏への逆風、コロナ専門医の山中氏への追 い風となったからである。無党派層の山中氏への流入である。

読売の出口調査で、支持政党は自民37%、立民13%、共産5%。公明3%。無党派 層32%だったが。それぞれの投票先で、自民支持層の4割が小此木氏、2割が林氏、公 明支持層の7割が小此木氏、立民・共産支持層の7割が山中氏。無党派層では4割強が山 中氏、2割弱が小此木氏、林氏、田中氏。

同調査で、コロナ対策が最重要課題となり、その投票先で山中氏が52%を占め、小此 木氏は19%にとどまったことである。無党派層の32%の4割強が山中氏に流れ、立民 13%の7割、共産5%の5割で、50万票を超えたが、無党派層の32%の4割流入が、 山中氏の勝因となる。ただし。無党派層の4割流入は、山中氏が、「コロナの専門家」で あったからであり、立憲、共産に、無党派層が流れたわけではないことが味噌である。出 口調査をもとに、次期衆院選での横浜市18選挙区の予想をすれば、18選挙区での自民 党の分裂はありえず、自民党支持層の8割、公明支持層の8割が与党候補に投入されるか ら、与党自民37%+公明3%=40%VS野党共闘立憲13%+共産5%+国民1%+ れいわ1%+社民1%=21%となる。22日の横浜市長選投開票日時点での、40%V S21%の格差は決定的である。横浜市長選での野党共闘の勝利は、自民党のオウンゴー ルと、コロナ新規感染1000人によるものである。次期衆院選での1人区での自民分裂 はなく、コロナ収束となるから、野党共闘への無党派層の流入はなく、最大限21%でと どまるが。自公の勝ちとなるが。

問題は、今後内閣支持率の反転上昇があるのか、否か、である。

21日、22日両日に実施した産経・FNN合同世論調査から分析してみよう。

内閣支持率は前回調査(7月17,18日)より6・9ポイント減の32・1%、不支 持率は5・8ポイント増の61・3%、分からないは、1・1ポイント増の6・6%。自 民支持率は2・8ポイント減の33・5%。内閣支持率6・9ポイント減は、コロナ対策 を評価するが7・7ポイント減の22・7%に、評価しないが6・6ポイント増の77・ 4%となったからである。デルタ株の新規感染者が東京で5000人、全国で2万人と拡 大、病床が逼迫し、自宅療養が全国で4万人を超えて、ワクチン接種の進捗でコロナ感染 が収束すると思うが29・4%、思わないが64・6%となった。ワクチン接種で65歳 以上8割、全国民で4割達成で、死亡者は1日20人前後に急激しているのに、である。 新規感染者のピークアウトがいつかが焦点となる。東京では、今週に入って4000人台 前半となりピークアウトの兆しがみえる。その意味で、産経調査の内閣支持率32・1%、 不支持率61・3%は大底といえる。8月22日投開票の横浜市長選での自民党の大敗は、 大逆風でものであり、政権・与党の立て直しの契機となる。

次期衆院選の帰趨は。比例投票先で与党は自民が3・3ポイント増の35・6%+公明 が1・0ポイント増の4・1%=39・7%に対して、野党共闘は、立憲が1・0ポイン ト減の9・8%+共産が0・9ポイント減の3・7%+国民が0・2ポイント増の1・2% +社民が0・5ポイント減の0・4%+れいわが0・3ポイント増の0・7%=15・8% しかない。維新1・8ポイント増の4・6%は、擁立候補がいない選挙区では与党側にプ ラスされるとみる。1人区287の選挙区で与党は圧勝となるが。

一方、自民党の直近の全国緊急調査では、現有議席276よりマイナス40~60という 過半数233割れという衝撃的結果となった。正値はマイナス20~40で過半数維持だ が、この結果が自民党3回生以下に危機意識をもたらし、フルスペックの総裁選へとつな がった。自民党総裁選は9月17日公示、9月29日投開票となり、内閣支持率、自民党 支持率上昇となる。次期衆院選は、10月21日任期満了選挙となり、11月21日か2 9日投開票となる。9月末には、ワクチン接種全国民5割を超え、コロナ収束に向かうか ら、内閣支持率は反転上昇し、40%台になり、菅総裁再選となる。10月にはコロナ接 種7割となり、菅義偉内閣支持率50%台になる。次期衆院選は与党の圧勝、野党共闘惨 敗となるが。菅義偉首相のワクチン戦略が奏功し、自民党総裁選、衆院選と連勝となる。

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