2013年9月20日

「首相主導に屈した財務省」

日経の1面トップに「法人税率下げ、段階的に」「首相指示『来年度から』」「財務省と会談」「来春の消費増税へ詰め」が書かれている。

「安倍晋三首相は18日午後、麻生太郎副総理・財務相と首相官邸で会談し、来年4月の消費増税の前提となる経済対策に法人実効税率の引き下げを明記するよう指示した。①2014年度に復興特別法人税を1年前倒しで廃止②15年度以降に主要国並みに税率下げ――の2段階での対応を要請した。企業競争力を高め、デフレ脱却への道筋を明確にする狙いだ。

複数の政府・与党関係者によると、首相は財務相との会談で『思い切った法人減税が必要だ』と指摘した。法人税率の引き下げでは、東日本大震災からの復興財源確保へ法人税額を10%上乗せしている『復興特別法人税』の廃止時期を、14年度末から1年前倒しするよう求めた。世界的に見て高止まりしている法人実効税率は15年度以降の中長期的課題として、主要国並みに引き下げる道筋を明確化することも指示した。
首相指示の背景には、主要国に比べて高い法人実効税率(東京都の場合38・01%)を早期に引き下げ、企業の体力を強め、雇用拡大や賃上げにつなげる狙いがある。

これに対し、財務相は復興法人税の廃止が被災地の反発を招きかねないことや、15年度に基礎的財政収支の赤字幅を半減する財政再建目標の達成が危うくなる点などを指摘し、難色を示したとみられる。首相と財務相は20日以降に再協議する見通しだ。

首相は10月1日、消費税率の5%から8%への引き上げを最終判断する方針。政府は消費増税による景気腰折れを回避するため、5兆円超の経済対策の骨格を取りまとめ、増税判断とあわせて閣議決定する方向で調整に入った。

低所得者や住宅購入者への現金給付措置や公共事業の追加、待機児童解消に向けた保育所整備の前倒しといった財政支出策が柱となる見込み。企業の設備投資や賃上げを促進する政策減税、自動車課税の見通しなども盛り込む」。

安倍首相は、18日午後、麻生副総理・財務相と首相官邸で会談し、来年4月の消費増税の前提となる経済対策に、①2014年度に復興特別法人税を1年前倒しで廃止②15年度以降に主要国並みに税率下げの、2段階引き下げを指示した。麻生氏は難色を示したが、20日以降の再会談で、受け入れ、決着することになっている。財務省中枢が容認したからである。

問題は、容認した理由である。安倍長期政権である。2018年まで、あと5年間続く、安倍首相に逆らって、財務省の省益は守れないからである。首相主導の前に、財務省は屈したのである。最強の省庁の財務省が屈したのであるから、他の省庁も右に倣えとなる。岩盤規制改革への抵抗が弱まり、改革へ加速度がつくが。

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