趣味【料理】 – 猪口邦子

インタビュアー:
プライベートでの癒しの時間は?

猪口邦子氏:
二人だけの時代。主人が研究者をしていて、国際的な共同研究をやっている非常に若い時代の主人の姿があって、その時まだ中々日本に研究者が来ない時代でもあったんですけれども、来たらフルコースでおもてなしをしました。フルコースでちゃんとメニューを作って、最後もの凄い忙しかった。自分も研究者であったし。

それで、デザートくらいは買っちゃうこともありましたが、でもよくフルコースでご飯を作っていました。今でもそういうふうにしたいと思って、今後また。

政治家になってしばらくは余裕がなかったですけれども、国際的な関わりというのは主人も今は学長をやっていてすごく沢山あるし、自分も国際的な在郷大使との交流や、海外から議員が来ることもあるので、(もしも)自宅でおもてなしが出来るなら、一番深い良い友好関係が築けるかと思って、またそういうことをやろうと考えて、しつらえなどやっているところです。

インタビュアー:
得意料理のジャンルは?

新婚の時代、ジュネーブ暮らしでジュネーブ大学にイエール大学から国際留学した。主人がジュネーブ大学の客員教授だったんです。二人で新婚生活を始めたのがジュネーブだったので、ジュネーブの友人に教えて貰った料理が多くて、 結局、フランス料理とフランスのコースメニューの作り方を習っているが、それ以外はなかなかできないです。

和食も好きだが、スポット的には作るんです。

義理の母がよく新潟だとよっぺなどの作り方を教えてくれて作れるけど、なかなか全体の設えとなると和食は大変。本当にプロの水準、板前のような心得があれば良いと思うが。フランス料理もそれなりに大変だが、若いときからなんとなく慣れているので。

そうやって昔交流した研究者達が皆それぞれ立派な研究者になって、全米政治学会の会長も家の応接間から出発してくれて、あのときあそこが原点だといってくれる人もいて。
それは自分の癒しの時間だった。

プライベートの楽しい部分だが、同時に結果として(研究者としての)職業を助けたという面があったと思う。それほど研究者同士で深い交流できるサロン的な機能を果たしたと思う。

小さなアパート、マンションから始めたが今でも、最初結婚してようやくかなり遠いところに小さなマンションだったが、夕食会をきちんと開こうと、大きなテーブルを入れて、シーテッドなディナーをしつらえた。そしたらそれに参加するために2時間くらい都心からかけて、大使館の方や学者の方が来てくれて励ましを貰った。本当に来てよかった、是非また来たいと言われ、若いときに励まされた経験を大事にしています。

そんな大したことはないが、ピアノや音楽を聴いたり、他愛のない話をしたおしゃべる。
それぞれでゆっくりとした時間を過ごすことも良い。気軽な友達同士、喫茶店で会って話してもよいが、家に来て話すことも多い。ガーデニングも好き。マンションだがルーフバルコニーがあって、そこで大きな木が沢山育っていて、新しい花や、ハーブ類も沢山生えている。

一昨日も鶏肉のハーブ焼きをしたが、庭からハーブを取ってきておいしく出来たよ、相当。

チキンを綺麗に洗ってよく拭いて、塩・こしょう、ガーリックで味付けし、オーブンで焼く。とにかく上手に焼き上げる。グリービーというものを作るのね。

それは、落ちる肉汁が落ちるでしょう。それを取ってそれでとろみを小麦粉のようなものでつけて、これでフランスだとソースになるんですけど。アメリカのロスチキンのやり方だとグリービーで十分なんです。この方法は本当にオススメなんです。ロスチキンを作っている間、付け合せの野菜類、例えばグリーンピースを茹でたり、マッシュポテトを作ったりする。オーブンの火を使うので、同時に「グラタンドフェルマ」という料理があるんですけど、薄くじゃがいもをスライスして、牛乳、生クリーム、ブラックペッパー、若干の塩を層にしていくんです。そのままオーブンに入れちゃうんです。冷蔵庫に事前に作っておいてオーブンに入れてもよいんです。それを常温にして焼くんです。
そうするとロスチキンが出来上がるタイミングでグラタンも出来上がりますね。これはとてもよい付け合せの料理です。美味しいよ♪
(テキスト提供:THE NEW CLASSIC [ニュークラシック]
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