2016年5月7日 読売「円高加速、一時105円台」「1年半ぶり、輸出企業を直撃」
読売に「円高加速、一時105円台」「1年半ぶり、輸出企業を直撃」が書かれている。
「3日の外国為替市場で、円買い・ドル売りが加速し、円相場は一時、1ドル=105円台半ばまで円高が進んだ。105円台の円高水準は2014年10月中旬以来、約1年半ぶりだ。大型連休で日本の取引参加者が少ないうえ、政府・日本銀行が円売りの市場介入に踏み切れないと見透かした海外投機筋が、円を買ってドルを売る動きを強めた。円高は企業業績の悪化を招く恐れが強く、景気の先行き懸念が広がっている。
3日は、オーストラリアの中央銀行が政策金利を0・25%引き下げ、年1・75%に すると決めたことも円高要因となった。市場が想定していなかった政策変更で豪ドルを売って円を買う動きが強まり、他の通貨に対しても円は高くなった。
ニューヨーク外為市場の円相場は、3日午前9時50分 (日本時間3日午後10時 分)過ぎ現在、1ドル=105円90銭~106円00銭で推移している。
年明け以降、世界経済の不透明感の強まりから、投資家がリスクを避け、安全資産とされる円を買う動きを強めてきた。4月28日に 日銀が追加金融緩和を見送ると、円買い・ドル売りに拍車がかかり、わずか5日間で6円近くも円高・ドル安が進んだ。
急激な円高は、自動車や電機など輸出の割合が高い日本企業を直撃する。麻生財務相らは介入を辞さない構えを強調してきた。市場では1ドル=105円台を割ることが『政府・日銀の円売り介入を警戒し始める水準』(ニッセイ基礎研究所の上野剛志氏)とされてきた。
しかし、ヘッジファンドなどの海外投機筋が、政府・日銀による円売りの市場介入は難しくなったとの見方を強め、円買いに走っている。米財務省が4月末に発表した報告書で、日本などを為替政策の監視対象にし、自国通貨を安く誘導する動きをけん制したことが大きな理由だ。
国際協調の観点から介入は難しいとの見方も海外投機筋の円買いを勢いづけている。安倍首相は26、27日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)を前に欧州を歴訪中で、世界経済の下支えに向けて財政出動などで各国に連携を求めている。こうした中で、通貨安競争を呼ぶ円売り介入は各国の批判を招きかねないからだ。
大型連休で、円の取引が多い日本の金融機関は休んでおり、投機筋の動きが相場を左右している。東京市場が開く6日までは値動きが激しくなりやすく、『103円を試す展開もあり得る』(アナリスト)との指摘も出ている」。
NY外国為替市場で、日本時間5月5日午前7時の時点で円相場は1ドル=107円10~20銭で推移している。1ドル=105円台半ばから1円60銭の円安進行となったが麻生財務相の口先介入が奏功したからである。103円を試す展開にはならないが。