2013年8月24日
朝日に「米豪、対日協議を先送り」「TPP,関税交渉さらに短期化」「閣僚会合「年内妥結に努力」が書かれている。
「環太平洋経済連携協定(TPP)の19回目の交渉会合が22日にブルネイで始まり、参加12カ国の関係閣僚は『年内の妥結(最終合意)』に向けて努力することで一致した。一方、今回の会合では、日本が米国、オーストラリアとそれぞれ話し合う関税交渉が見送られる見通しになった。日本はコメなどの関税を守りたいと考えているが、農業大国の両国との交渉が9月以降にずれ込むことで『短期決戦』を迫られる。
日本は、コメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、砂糖の原料という『重要5項目』の関税を守ろうとしている。一方、米国はコメや牛肉、オーストラリアは砂糖や牛肉の輸出拡大をめざし、関税の撤廃や引き下げを求める。日本にとって両国との交渉は『TPP交渉の山場』(政府関係者)だ。
TPP交渉では関税をめぐる話し合いは二国間で進める。日本は両国をのぞく一部の国に対し、すべての輸入品目のうち関税をなくす品目を最大85%ほどにするなどの案を示した。22日に2カ国と交渉に入り、23日も3カ国と交渉に入る。
しかし、米国は米通商代表部(USTR)のフロマン代表が19日、米国内での手続きを理由に、日本との関税交渉が9月にずれ込むとの見方を示した。オーストラリアも9月に総選挙を控えているため、選挙後に先送りする見通しだ。
両国とも国内の事情に加え、交渉を有利に進めるねらいもあるとみられる。『他国との交渉を終わらせたうえで、日本には年内妥結のタイムリミットをちらつかせ、譲歩を迫る戦略ではないか』(日本政府関係者)との見方も出ている。
交渉参加国は10月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳級会議での大筋合意をめざす。22日の関係閣僚会合では年内妥結をめざすことも確認した。これを受け、甘利明TPP相は記者団に『政治レベルで議論を収斂させ、妥協点を探るよう事務方に指示することが重要だ』と語り、交渉を加速するには政治決断が必要になるとの認識を示した。
10月に大筋合意する場合、日本が米国やオーストラリアとの関税交渉にあてる時間は約1カ月しかない。日本は短期間の交渉に臨みつつ、重要5項目のうち何の関税を守るかの絞り込みも迫られる」。TPPの19回目の会合が、22日にブルネイで始まり、参加12カ国の関係閣僚は「年内の妥結(最終合意)」に向けて努力することで一致した。米国主導で、年内妥結が決まったのである。
問題は、TPP交渉の山場である米国とオーストラリアとの2国間交渉が9月に先送りとなったことである。年末までの「短期決戦」を強いられる、米国は96%の自由化率を求めてくるから、関税を守ることができるのは360品目にとどまる。重要5項目の586品目のうち226品目は関税撤廃が、不可避となる。コメも聖域ではなくなるのである。安倍首相の政治決断が、必須となる。日米同盟強化か、農協を守るのか、である。