子どもになれる「ウソ」をつく

伊藤 大輔 - マジシャン -
子どもになれる「ウソ」をつく

プロマジシャンの伊藤大輔です。

日常でマジシャンと出会うことはあまりないかと思いますが、普段、僕は企業のパーティやファッションブランドのレセプション、ホテルやレストランのイベントなどでマジックを披露しています。

世の中には様々なマジックが存在しますが、僕は「クロースアップマジック」という目と鼻の先でパフォーマンスを行うスタイルを得意としています。

テーブルマジックと言った方が分かりやすいかもしれません。
あ、よく言われるのですが、「鳩」は出しません笑。

僕とマジックとの出会いは、小学校低学年くらいまで遡ります。

父親に簡単なマジックを教えてもらったことをきっかけに、おもちゃのマジックグッズを買ってもらったり、本を読みあさったりして、マジックの世界に魅了されていきました。

小さい頃の僕は、人並み以上に人前が苦手でした。マジックは誰にも見せずに、鏡の前でこっそり練習していたような子どもでした。当時の僕を知る人は、僕がマジシャンになったと知ったら、マジックを見たとき以上に驚いてくれます笑。

そんな僕ですが、小さな成功と失敗を元に、少しずつ自分に自信を付け、今ではプロのマジシャンとして、多くの方の前でマジックを披露させて頂いています。

マジックは僕に、たくさんの素敵な人との出会いや、貴重な経験の「きっかけ」を創ってくれました。

僕にとってのマジックは「コミュニケーションのきっかけを創るツール」という側面があります。そんなことを少しでも次世代に伝えるため、現在、私立の中学校で、授業の一環として、マジックを指導する活動もさせて頂いています。

さて、そんなマジックをこの場であなたに披露できないのが残念ですが、代わりに僕なりのマジックの魅力をお伝えしたいと思います。

マジックは大げさに言うと、「騙しの技術、嘘をつく技術」です。

こんな言葉があります。


「マジシャンは、魔法使いを演じる役者である。」

ロベール-ウーダン(1805 - 1871) / 近代マジックの産みの親


当たり前ですが、マジシャンはあくまでマジシャンであり、本物の魔法使いでも、超能力者でもありません。

古くは貴族の間の娯楽として楽しまれてきたように、ある意味、マジックは「虚構」を前提とした大人の娯楽なのです。

しかし、虚構とはいえ、優れたマジシャンは観客を、現実からかけ離れた非日常な空間へエスコートします。

目の前で起こる信じられない不可思議な現象に、大の大人が、息を呑み感動し、時に笑い、時に涙する。

そう、それはまるで、子どもの頃に戻ったように。

僕は、その一瞬の表情の変化を見るのがとても好きです。

子どもの頃は、世界に対して無知なものですから、「なんで?」が口癖。
毎日が驚きで溢れています。

しかし、僕たちは成長するにつれ、目まぐるしく変化する日常と、知恵との引き換えに、あの頃の感覚を忘れているように感じます。

子どもの頃のように、目の前のコトに、ストレートに感動する時間を創る。

もしかすると、それがマジシャンが使う「タネと仕掛け」を越えた魔法なのかもしれません。

さて、もっと色々とお話したいのですが、それは今度出会った時のために置いておきましょう。

これからも、トランプを片手に多くのきっかけを創りつつ、本物の魔法使いに近づけるようにマイペースにやっていこうと思っています。

それでは、いつの日か、あなたにマジックを披露できる日まで。

マジシャン 伊藤大輔
pagetop