2014年1月11日 毎日「クローズアップ2014」 「細川氏、都知事選出馬へ」「にわかに『脱原発』」「争点化、政権は警戒」

「アベノリンピクスが争点」
毎日の「クローズアップ2014」に、「細川氏、都知事選出馬へ」「にわかに『脱原発』」「争点化、政権は警戒」が書かれている。

「猪瀬直樹氏の辞職に伴う東京都知事選(23日告示、2月9日投開票)は、細川護煕元首相(75)が立候補の見通しになったことで、構図が一変した。各政党が独自候補擁立に及び腰のなか、自民、公明両党が支援に回った舛添要一元厚生労働相(65)を軸に選挙戦が展開されるとの見方が強まっていたが、細川氏の参戦で一気に緊張。『原発ゼロ』を訴える細川氏は小泉純一郎元首相との連携も模索しており、争点として脱原発が際立つことは確実だ。安倍晋三首相の政権運営にも影響しそうだ。

細川氏は週明けにも立候補について最終判断する見通し。安倍政権は、2011年の東京電力福島第1原発事故を受けて強まった『原発ゼロ』の主張が、細川・小泉連合の『劇場型選挙』で一気に拡大する事態を警戒している。政府・自民党は衆参両院で多数を確保した後、世論の批判をかわしながら原発維持へかじをきりつつあった。

しかし、都知事選で原発を巡る政策が争点化すれば、1000万都民の『民意』が示されることになる。選挙結果によっては原発再稼働の方針にも大きな打撃となりかねない。『1強多弱』の国政に、原発ゼロをてこにした新勢力が生まれる可能性さえある。自民党の石破茂幹事長は10日、細川氏の原発ゼロ路線に関し『エネルギー政策は国政の課題だ。それを争点にするのを都民がどう判断するか』と指摘。都知事選の争点は原発ではないとけん制した。

安倍首相にとって、都知事選の『必勝』は政権を不安定化させないための条件だ。19日投開票の沖縄県名護市長選は劣勢が伝えられ『都知事選と1勝1敗に持ち込んで、政権のダメージを最小限にとどめたい』(自民党幹部)ともくろむ。

4月には消費増税を控えており『景気が冷え込み、内閣支持率も低下する』との見方は消えない。政権を安定的に継続させ、集団的自衛権の行使容認などの「安倍カラー」政策を推進するため、今春までに政権が動揺する展開は避けたいところだ。

かぎを握る小泉氏の思惑について政権は『そこまでするのか』と半信半疑だ。安倍首相は9日からの中東・アフリカ外遊前、『小泉さんと話してみようかな』と周辺に漏らした。自民党執行部は、小泉氏と親しい森喜朗元首相を通じ、細川氏を支援しないよう小泉氏の説得を試みる考えだ。

ただ、細川氏は首相辞任後の1996年、小泉氏や田中秀征元経済企画庁長官らと『行政改革研究会』を旗揚げするなど、細川、小泉両氏の関係は永井。細川氏周辺は『当時から細川さんがずっと会っているのは小泉さんだけ。自民党総裁選で小泉さんが負けた時も、細川さんは励まし続けた』と強調。小泉氏の支援に期待を込めた。

一方、民主党は都知事選で細川氏が『台風の目』になれば安倍政権を揺るがす好機とみている。11日の都連選対会議では、細川氏が出馬した場合、推薦などは出さず『勝手連の一つとして支援する』(松原仁都連会長)との方針を決めた。

前日の10日、細川氏の関係者が海江田万里代表と接触し、『政党から支援を受けたり、政策協定を結んだりするつもりはない。黒衣に徹してほしい』と要請。党執行部は、政党色を出さない細川氏側の戦略を踏まえ、水面下で全面支援する構えだ。

民主は当初、自公両党とともに舛添元厚労相への『相乗り』に傾いていた。だが、細川氏の登場で対応は一変。民主は細川氏に乗りかえ、便乗して政権との対決姿勢をアピールしたい思惑がある。
共産、社民両党は細川氏と脱原発で一致する宇都宮健児・前日本弁護士連合会会長(67)の推薦を決めている。社民党幹部は『細川氏には(1億円借り入れて首相辞任につながった)東京佐川急便問題があった。細川氏支援はリスクが大きい』と指摘した」。

14日、細川元首相は小泉元首相との会談後に、正式な出馬表明をするが、小泉元首相は全面支援を約束するのか、である。全面支援しても勝てる状況ではないから、一部支援にならざるを得ない。細川氏の知名度不足と駄目な民主党が支援に回り、小泉人気が相殺されるからである。

問題は、「脱原発」が争点化となるのか、である。都民の関心事は、アベノミクスの成功と2020年東京オリンピックの成功であり、アベノリンピクスである。都民にとって、脱原発の優先順位は低いのであり、都民は、「脱原発」を倒閣運動とみなすのである。直近の内閣支持率60%台が、舛添氏を大勝に導くのである。

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