2016年7月8日 毎日の「参院選終盤情勢」に「改憲勢力3分の2の勢い」「野党共闘伸びず」

「改憲勢力3分の2の勢い」

毎日の「参院選終盤情勢」に「改憲勢力3分の2の勢い」「野党共闘伸びず」が書かれている。

「共同通信社は第24回参院選について3~5日、全国電話世論調査を行い、取材も加味し終盤情勢を探った。安倍晋三首相が目指す憲法改正に賛同する自民、公明両党、おおさか維新の会などの『改憲勢力』は、非改選と合わせ改憲発議に必要な全議席の3分の2(162)に届く見通しが強まった。

自民は60議席前後で、27年ぶりに参院単独過半数となる勢い。民進、共産両党など野党4党が32の改選1人区で共闘し一本化した候補は全体として伸び悩んでいる。

与党は、首相が勝敗ラインとした改選過半数の61議席を超えることがほぼ確実な情勢だ。民進は20台後半で苦戦。公明、共産はそれぞれ14、9程度へ伸長が見込まれる。選挙区、比例代表でいずれも40%以上が投票先を『まだ決めていない』としており、10日の投開票までになお情勢が変わる可能性がある。

自民、公明、おおさか維新、日本のこころを大切にする党の『改憲4党』で非改選議員は84人。4党が今回78議席を得れば『3分の2』に到達する。改憲に賛同する非改選の無所属・諸派議員の4人も含めれば、必要な議席は74に下がる。おおさか維新は6前後が見込まれ、自公と合わせれば80議席もうかがう。社民党は1議席にとどまる見通し。生活の党、日本のこころ、新党改革は依然厳しい。

参院は定数242。3年ごとに選挙区73、比例代表48の計121議席が改選される。選挙区のうち1人区は、自民が秋田、岡山、熊本など20選挙区程度で優勢。一方、劣勢は山形、沖縄などに限られる。4ある2人区は、自民、民進が1議席ずつを分け合う。3~6人区でも自民に勢いがある。

比例代表では、自民は20議席、民進は10議席前後を確保しそうだ。民進は、現職が出馬した1人区の岐阜や滋賀などで自民に先行を許した。前身の民主党が前回2013年に獲得した17議席は上回るが改選43議席を割り込み、30に届かない可能性が高い。

≪非改選無所属ら4人参入、『改憲3分の2』まで74議席≫

今回の参院選は、憲法改正に賛成する勢力が非改選議員を含めて参院の3分の2(162議席)以上を占めるかどうかが最大の焦点だ。自民党、公明党、おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党で『改憲ライン』に達するには78議席を獲得する必要がある。さらに、4党以外の非改選のうち少なくとも4人が安倍政権による改憲に前向きで、この4人を加えるとハードルは74議席に下がる。

憲法に関して、毎日新聞が非改選議員に参院選候補者と同じアンケートをしたところ、無所属の松沢成文氏と井上義行氏、日本を元気にする会のアントニオ猪木氏が改正に「賛成」と回答した。無所属の渡辺美知太郎氏は無回答だったが、4月の記者会見で「(自民党の)改正という姿勢に共感している」と述べた」。

共同の参院選終盤情勢調査によると、自民党は単独過半数の57議席を超える60議席前後の勢いであり、公明党も14議席前後の勢いがあり、おおさか維新も6議席前後が見込まれるから、改憲勢力で3分の2の78議席を超えることになる。安倍晋三首相が目指す憲法改正発議が現実のものとなるが。

問題は、残り4日間で、野党共闘の巻き返しがあるか、である。アンダードッグ効果が働くか、である。野党共闘の戦略ミス故に、巻き返しは不可となる。有権者の関心はアベノミクスの是非なのに、憲法改正の是非を争点にしたことが、である。改憲勢力3分の2阻止よりも、アベノミクスが失敗というならば、アベノミクスの代案を示せである。野党共闘は伸びないのは必然である。有権者は、野党共闘政権よりも安倍1強政権継続を選択したことになり、結果として改憲勢力で3分の2を容認したことになる。

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