2013年6月14日

「法人実効税率を20%に引き下げ」
朝日に「失速恐れ、成長策連打」「市場の圧力、政権焦り」「設備投資、消費の伸び次第」が書かれている。

「7月の参院選で目玉に掲げる成長戦略をまとめた矢先に、安倍晋三首相は追加策の検討を指示した。市場の関心はすでに首相の『次の一手』に移っているためだ。新たな成長戦略では企業の設備投資を促す法人減税を柱に据える考えだが、効果は未知数だ。

12日夕に首相官邸で開かれた産業競争力会議。成長戦略の取りまとめを受け、安倍首相は『改革に終わりはない。私の成長戦略は進化し続ける』と宣言した。首相は4月、5月、6月と成長戦略の考え方を3度に分けて発表。切れ目のない経済政策を印象づけた。ある経済官庁幹部は首相の胸のうちをこう読み解く。『参院選まで期待をつなぐためにも早く<第2弾>を発表する必要があった』。

アベノミクスで株価は急上昇したが、その反動も大きい。経済再生に向けた『3本目の矢』と位置づけた成長戦略の中身が出るにつれ、市場の期待がしぼんで株価は急落し、長期金利は上昇。アベノミクスの副作用すら指摘され始めた。

実体経済の回復を示す経済指標もあり、政権は表向き『景気は間違いなく持ち直している』(菅義偉官房長官)と強気だ。だが、与党から『市場は正直だ。成長戦略は期待されていない』(自民党若手議員)という批判もある。わかりやすい指標である株価の動向に官邸は神経をとがらせざるを得ない。

そこで急浮上したのが、企業の設備投資を促す減税だ。首相は5月中旬、設備投資を今後3年間で現在より7兆円多い年間70兆円規模に回復させる考えを表明。そこを切り出し、税制改正論議の目玉に据えた。

例年なら税制改正案は年末に決まる。そこで政権は当初、具体的な減税策づくりを参院選後に持ち越す方針だった。だが、甘利明経済再生相が7日の記者会見で『必要なものはただちに実行する』と主張。首相は9日のNHK番組で『秋に思い切った投資減税を決めたい』と税制改正論議を前倒しする考えを示した。

ただ、税制は年度ごとに見直されるため、投資減税の実施が来春なら秋に税制改正案をまとめる意味は乏しい。むしろ7月の参院選に向け、期待をつなぎとめる狙いが透けて見える。参院選に勝って衆参両院のねじれを解消して政策に本腰を入れるには、高い支持率の源泉である経済再生の旗を降ろすことはできない。首相周辺は『一番の成長戦略は安定政権をつくることだ』と語る。

新たに検討する減税とはどんなものか。経済産業省などが温めているのは、生産を増やすために機械を買いかえるなどの『設備投資』をすると、法人税が安くなる仕掛けだ。企業会計のルールには、設備投資にかかった費用を毎年分割して処理していく『減価償却』という仕組みがある。たとえば、この費用を1年ですべて処理する『即時償却』の特例を認めることを考えている。法人税は『収益(益金)』から『費用(損金)』を引いた金額に応じて収めるので、一気に費用を払うと税金も少なくて済む。この特例を期間限定で認めれば、企業が『早めに設備投資しよう』と考える、というわけだ。

安倍政権はこうした減税などで設備投資額を3年間で7兆円増やすことを目指す。そうなれば機械や材料などが売れ、経済が活発になるという算段だ。

しかし、本当に設備投資は増えるだろうか。日本銀行の3月の調査では、全国の製造業で、生産や営業の設備が『過剰』という企業の割合は『不足』という企業の割合を14ポイント上回った。今はむしろモノが売れず、設備が多すぎると考える企業が多いのだ。

ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎さんも『設備投資が増えないのは消費が伸びていないためだ。減税だけでは投資にはつながらない』と厳しくみる。第1次安倍政権も06年末に設備投資を促す減税を打ち出した。『翌年度は7千億円増』と宣伝したが、効果がはっきりしないまま08年のリーマン・ショックで設備投資は一気にしぼんだ。

そもそも過去から繰り越した赤字を抱える企業は法人税を納めなくてもよく、国内企業の7割超が納めていない。政権内でさえ『法人税を払っていない会社には(減税の)メリットがない。すぐに効果が出るとは思わない』(麻生太郎財務相)という声がある」。

12日、夕、安倍首相は、産業競争力会議出の成長戦略の取りまとめを受け、「改革に終わりはない。私の成長戦略は進化し続ける」と宣言した。次の一手として、安倍首相は「設備投資減税」を打ち出したが、市場は反応薄である。

市場の期待は、法人実効税率の20%台への引き下げである。世界のヒト、カネ、モノを呼び込むためである。日経の12日の経営者緊急アンケートの成長戦略追加策のダントツ1位も法人実効税率の引き下げである。設備投資減税ではなく、法人実効税率の20%への引き下げである。安倍首相は、7月参院選の政権公約とすべきである。外国人投資家は一斉に買いに転じるが。

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