連合2024新年互例会

令和6年1月5日、岸田総理は、都内で開催された連合2024新年互礼会に出席しました。

「ご紹介にあずかりました。内閣総理大臣の岸田文雄でございます。本日、連合の新年互例会開催に当たりまして一言御挨拶を申し上げさせていただきます。
まずは1月1日、最大震度7の令和6年能登半島地震が発生をいたしました。亡くなられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、被災された全ての方々にお見舞いを申し上げたいと存じます。
まずは、震災対応に万全を期すため、政府の総力を挙げて取り組んでおります。多数の避難者がおられ、避難の長期化も懸念される中、被災者の生活と生業(なりわい)をしっかり支えていく。こうした息の長い取組を続けてまいります。そして、日本経済に目を向けるとき、この令和6年は極めて重要な1年になると考えています。我が国経済は30年余り続いたコストカット型経済から、所得増と成長の好循環による新たな経済へ移行する大きなチャンスを迎えています。
このチャンスをつかみ取るための本丸。これは、物価上昇を上回る賃上げの実現であると考えています。
昨年の賃上げは、連合の皆様を初めとする労使の真摯な交渉の結果、30年ぶりの高水準となりました。
昨年11月には吉野会長にも御出席をいただき、この政労使の意見交換の場を開催させていただきましたが、私から直接経済界に対しまして、足下の物価動向を踏まえ、今年の春闘に向け、その昨年を上回る水準の賃上げの協力、これをお願いしたところであります。
そして、その実現に向けて政策を総動員してまいります。率先して、政府による公的賃上げを行うべく、来年度予算において最大限の対応を図ってまいります。医療・介護・障害福祉のいわゆるトリプル改定においても、賃上げという観点を重視した、この仕組みをしっかりと用意をさせていただきました。
また、税制改正においても、賃上げ促進税制を強化し、赤字中小企業でも利用できる繰越控除を創設をいたします。また、このことによって制度の対象となり得る企業は、中小企業全体の8割となります。裾野の広い賃上げにつなげていきたいと考えておりますし、昨年11月に公表いたしました、この労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針、これも強力なツールになると確信をしております。こうした賃上げとの相乗効果という観点から、所得税住民税の定額減税を今年6月から実施をしていきます。この恩恵を十分に受けられない所得水準の方々にも、補足的な給付、これを用意してまいります。
今年の夏の段階で、賃上げとこれらの措置、これを合わせることによりまして、可処分所得の伸びを物価上昇を上回る水準に確実に持っていきたいと考えております。同時に前例のない思い切った投資減税また、中小企業の省人化、省エネ投資の支援など、この前向きな投資を中心に、賃上げの原資となる企業の稼ぐ力、これを強化してまいりたいと考えています。それとあわせて、少子化対策においても児童手当の抜本的拡充、高等教育の負担軽減を初め、若い世代の所得向上、これを支援してまいります。長く続いたデフレからの完全脱却を果たし、成果を形にして国民の皆さんに実感していただく。こういった一年にしたいと考えております。
しかし、そのためにも政治の信頼が大事であります。自民党の政治資金において、国民の皆さんから厳しい目が注がれている。このことを真剣に受け止め、お詫びを申し上げるとともに、私自身、先頭に立って政治の信頼回復に努めていきたいと考えております。引き続き連合の皆様方には、御理解と御協力を心からお願い申し上げる次第でございます。
終わりに、今年1年が関係者の皆様方にとって実りある1年になりますことを、改めて心からお祈り申し上げて、今日の新年互例会に当たりましての御挨拶とさせていただきます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。」

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