2021年6月24日 オリンピック・パラリンピックをどうしたらいいか。
朝日の19,20日の全国世論調査で、東京五輪・パラリンピックをどのようにするの がよいかとの設問で、今年の夏に開催するが20ポイント増の34%、再び延期するが1 0ポイント減の30%、中止するが10ポイント減の32%となった。一方同時期の共同 世論調査では観客を制限して開催すべきが14・6ポイント増の27・2%、無観客で開 催すべきが15・1%増の40・2%、中止すべきが28.9ポイント減の30・8%と なった。この2つの調査結果の比較から、恣意的世論調査は朝日の方であることが明らか となった。非現実的な「再び延期」を選択肢に加えて、「開催すべき」の世論を恣意的に下 げようとしているからである。5月26日の朝日の社説「東京五輪・パラリンピック中止 の決断を首相に求める」に沿ってのものである。開催すべきとの世論は朝日の34%では なく、共同の27・2%+40・2%=67・4%が正しいとなる。国民の6割強が開催 すべきとなっているが、その内訳で、無観客でが40・3%、有観客でが27・2%とな っている。菅義偉政権は、G7サミットでの世界公約としての有観客を目指すが、朝日を中 心とする左派メディア、立憲・共産党は無観客を主張して抵抗を強めている。その根拠が 大会期間中に東京で第4派が襲い、感染再拡大となり、緊急事態宣言を出さざるを得ない 五輪リスクの存在である。
問題は、五輪リスクがどの程度あるのかだが、菅義偉首相はワクチン普及で勝負をかけ た。コロナ禍に人類が勝った証しとしての東京五輪・パラリンピックの有観客開催をもっ てである。そもそも、国民世論が開催すべきで6割強になったのは、ワクチン普及による コロナ収束への期待感からである。菅義偉首相は7月末までに高齢者3600万のワクチ ンの2回接種完遂を目指して1日100万回の接種を実行し、そのめどをつけつつあるか らだ。さらに、職域接種も拡大、1日20万回の上乗せも可能になった。64歳以下の世 代の接種完遂を10月末までに前倒しした。東京大の仲田泰輔准教授(経済学)らのワク チン接種によるコロナ感染状況の推計がある。インドなどで猛威を振るデルタ株が国内で も7月末に4割、8月末には8割を占めると想定して試算。全国で新型コロナウイルスの ワクチン接種が1日75万回で続いた場合、東京の1日当たりの新規感染者は9月の第3 週に1600人に達する。緊急事態の再宣言が必要な水準で、この時の重症患者は600 人を超えている、一方、接種が政府目標の1日100万回に達した場合、感染拡大のピー クは9月第5週の1166人という。今日、職域20万回が上乗せになり、1日120万 回となれば、感染拡大のピークは10月にずれ込み、開催期間中の緊急事態の再宣言は回 避され、ピークそのものがひくくなり、感染者が500人以下となるが。つまり、さざ波 程度となる。また、仲田氏らは、五輪を開催した場合の影響も試算している。1日平均1 5万人が会場を訪れると、1日当たりの新規感染者数の増加は10~80人になるとした。 有観客の影響は限定的である。既に、J リーグ、プロ野球開催でクラスターがないことが実証されている。プロ野球、J リーグ、夏の選抜高校野球が有観客なのだから、無人では整合 性が取れない。ワクチン接種の先進国である英国でデルタ株が蔓延し、1日2000人ま で下がった感染者数が5倍の1万人となり、ロックアウト延長となっているが、感染者の 9割が、未接種者と1回のみの接種者であり、大半が若者である。デルタ株に対して2回 接種が必須となる。ワクチン普及に勝負をかけた菅義偉首相は正解である。ワクチン普及 に拠っての東京五輪。・パラリンピックンの成功は、10月総選挙の追い風となり、勝者と なる。一方、東京五輪・パラリンピック中止、無観客開催でコロナリスク、五輪リスクを 恣意的に煽った朝日を中心とする左派メディアと立憲、共産党は敗者となる。