2013年11月26日 日経「債権から株、マネー転換」「NYダウ最高値、7周連続で上昇」「IT関連過熱に警戒感」

日経に「債権から株、マネー転換」「NYダウ最高値、7周連続で上昇」「IT関連過熱に警戒感」が書かれている。

米国株が堅調に推移している。22日のダウ工業株30種平均は続伸して最高値を更新。週間でも7週連続で上げ、2010年12月~11年1月にかけて上昇して以来の記録になった。米欧などの金融緩和が長期化するとの期待は根強く、投資マネーが債券から株式に向かう『グレート・ローテーション(大転換)』の動きも本格化してきた。

21日に終値で初めて1万6000ドルを突破したダウ平均の22日終値は前日比54ドル78セント(0・3%)高の1万6064ドル77セント。米景気指標の改善も好感され、週間では103ドル(0・6%)上げた。多くの機関投資家が指標にする米S&P500種株価指数も22日に1800の大台を初めて上回った。

息の長い株高をけん引しているのは、金融緩和の長期化で余剰マネーが株式市場に流れ込むとの期待感だ。

来年2月に米連邦準備理事会(FRB)の次期議長に就任予定のイエレン副議長は、米景気の回復を最優先する姿勢が強い。『(金融緩和の積極派である)バーナンキ議長との政策面の違いは見当たらない』(JPモルガン)などとして、株式市場では買い安心感が広がっている。

米国以外の先進国が緩和強化に動いているのも追い風だ。欧州中央銀行(ECB)は今月になって利下げを決めた。日本にも、脱デフレを確実なものにするため『日銀の追加的な金融緩和を期待したい』(米スタンダード・アンド・プアーズのチーフ・グローバル・エコノミスト、ポール・シェアード氏)との声が強まりつつある。

こうした状況下で、投資家は債券から株式に資金をシフトしている。米投資信託協会(ICI)によると、米国で設定された株式投信には13日まで5週連続で資金が流入超になった。一方で債券投信は6月以降、大量の資金が流出している。

マネーの潮目が変わったのは、バーナンキFRB議長が5月下旬に量的緩和の縮小の可能性に言及してからだ。米長期金利は一時的に急上昇(価格は急落)し、投資家が債券から資金を引き揚げるきっかけになった。

その後は緩和の長期化期待が再び高まり、米長期金利は足元で2・7%前後で安定している。だが、今の株高に乗り遅れまいとマネーが株式にシフトする流れは止まっていない。13年通年の米国の株式投信が、金融危機前の07年以来6年ぶりに資金の流入超になるのはほぼ確実な情勢だ。

米バンク・オブ・アメリカの独自の集計によると、20日時点の13年の運用資産別の総収益率(ドル建て)は世界の株式相場がプラス約21%。これに対し、国債や社債を合わせた世界の債券相場がマイナス1%、国際商品もマイナス4%に沈む。今年は株式市場の『一人勝ち』の様相が色濃く、その事実がさらに投資マネーの流入を招くという構図だ。

もっとも、米株式市場では一部のIT(情報技術)株が投資指標では説明のつかない水準まで急騰するなど、過熱感も浮上している。緩和期待から『買いが買いを呼ぶ』展開になっている面もあり、急ピッチの株高への警戒ムードも広がりつつある」。

投資マネーが債券から株式に向かう「グレート・ローテーション(大転換)」の動きが本格化してきた。金融緩和の長期化で、余剰マネーが株式市場に流れ込むとの期待感である。問題は、FRBの量的緩和縮小時期である。来年2月に議長に就任するイエレン副議長が金融緩和の積極派であることから、市場では早くて4月以降との見方が強いが。

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