2018年3月20日 読売「スキャナー」「首相信頼回復に躍起」「森友文書書き換え問題」「支持率下落立て直し指示」

読売の「スキャナー」に「首相信頼回復に躍起」「森友文書書き換え問題」「支持率下落立て直し指示」が書かれている。

「学校法人『森友学園』を巡る決裁文書の書き換え問題で、安倍首相は低姿勢に徹しつつ、財務省の立て直しを図る『政治主導』の発信に躍起になっている。ただ、内閣に   対する国民の目は厳しさを増しており、信頼回復の道は遠い。

<予定外の謝罪>

『予算委員会でしっかり説明責任を果たしたい』

首相は13日夜、自民党の若手参院議員らを首相公邸に招待して夕食を共にし、信頼回復に向けて努力する姿勢を強調した。

書き換えの発覚後、首相官邸は国民への見え方に神経質になっている。12日午後に麻生副総理兼財務相が書き換えを認めた際は、『おわび申し上げる』と陳謝しながら頭を下げなかったことを心配し、当初予定になかった首相への取材機会を夕方に急きょ設定。その場で首相は沈静な面持ちで約2秒間頭を垂れ、『全容解明のため調査を進める』と述べて麻生氏に財務省の立て直しを指示した。

国内外には現在、朝鮮半島情勢や経済再生などの課題が山積している。政府高官の一人は『今の状況で内閣がぐらつくわけにいかない』として、書き換えの責任論を麻生氏の進退や内閣全体に波及させない考えを改めて強調する。

麻生氏の続投は、首相がすでにその意向を本人に直接伝え、麻生氏も了承している。麻生氏側近は『自分が退くことの影響の大きさを認識した上で、続投が批判を浴びることも覚悟している』と解説する。

<麻生氏続投、疑問の声も>

こうした対処方針を疑問視する声は、政権の足元からも上がっている。野田総務相は13日の記者会見で『麻生氏には徹底的に究明する責任がある』と続投に理解を示す一方、『その後のことは本人の判断だ』と突き放した。

13日に国会内で開かれた自民党総務会では、村上誠一郎・元行政改革相が『役人だけに責任を負わせることがあるべき姿か。そろそろ大所高所の判断をすべき時期に来ている』と述べ、首相の責任論に言及した。

首相に近い経済界にも、麻生氏について『民間の場合は不祥事を起こしたら(トップは)普通は辞める』(小林喜光・経済同友会代表幹事)との声があり、首相の訴えが国民の理解を得ているとは言い難いのが実情だ。

報道各社の世論調査では、内閣支持率の下落傾向が鮮明になりつつある。自民党内では『内閣が持たないとなれば、麻生氏は辞めるしかない』(中堅)との見方も出始めている。

<反乱の芽>

首相の胸中について、政府内には『もともと首相は財務省への不信感が強く、足を引っ張られているとの思いが強い』(首相官邸筋)との指摘がある。経済政策を巡っては、経済成長を優先する首相が財政再建を重視する財務省とこれまで何度も対立し、その度に押し切ってきた。

財務省OBは『首相に不満を抱く中堅や若手職員は徐々に増えている』と明かす。書き換えをあくまで財務省内の問題とする首相の姿勢に、財務官僚が不満をより募らせる可能性がある。

与党内では『財務省をあまりに追い詰めれば、内部情報のリークなどの反乱を招きかねない』(幹部)との懸念も出ている。

≪野党、欠席戦術で抗戦≫

立憲民主党など野党は13日の参院予算委員会の公聴会を欠席し、徹底抗戦を続けている。佐川宣寿・前国税庁長官と安倍昭恵首相夫人の証人喚問を審議復帰の条件に掲げ与党への揺さぶりを強めている。

『この戦いは国民が後ろについている。自信を持って戦いに臨んでいきたい』

立民の福山幹事長は13日の両院議員総会で、こう強調した。国会の欠席戦術は、職務放棄との批判を浴びる可能性もある。それでも野党が国会審議を拒否するのは、『世論も安倍政権に厳しい目を向けている』(民進党幹部)との手応えがあるためだ。

読売新聞社が9~11日に実施した全国世論調査では安倍内閣の支持率が6ポイント減の48%に下落し、書き換え問題を巡る政府対応が不適切だと回答した人が8割に上った。

昨年の衆院選以降、バラバラ感が目立ち、与党をせめあぐねていた野党にとっては結束を高める好機にもなっている。立民、希望、民進など野党6党は13日、前日に続いて合同で財務省からのヒアリング会合を開き、追及を強めた。共産党の小池書記局長は13日の記者会見で『野党が結束して事に当たっていくことが必要だ』と強調した。

証人喚問に慎重な与党内でも、佐川氏に関しては容認論が浮上している。自民党の竹下総務会長は13日の記者会見で『佐川氏に最終責任があるという状況が明らかになれば呼べばいい』と述べた。公明党の山口代表も柔軟な姿勢を示したが、『佐川氏は民間人だ。なぜ呼ぶ必要があるかの論点、目的を詰め、合意の上で呼ぶべきだ』とも語った。書き換え問題による国会の混乱で、年度内に成立しなければ国民生活に支障が生じる恐れのある税制関連法案などの審議は遅れている。与党は野党欠席のままでも審議を進める方向だが、『あまり強硬に進めれば国民の批判を浴びる』(自民党幹部)とのジレンマを抱えている」。

支持率下落立て直しのカギは、書き換え文書の内容に、安倍晋三首相夫妻の働きかけの証拠があったのか否かをメディアが正しく報道できるか、である。書き換え文書の内容は、籠池氏の恫喝一色となっているが。財務省が消したかったのは、籠池氏の恫喝である。

pagetop