2017年11月25日 朝日の社説に「代表質問」「説得力競い合う論戦に」

「民意に届く説得力とは」

朝日の社説に「代表質問」「説得力競い合う論戦に」が書かれている。

「衆院で代表質問が行われ、特別国会の論戦が本格化した。

『多様性を認め合い、困ったときに寄り添い、お互い様に支え合う社会』
野党第1党の立憲民主党の枝野幸男代表は、めざす社会像を描くことに時間を割いた。

巨大与党に『多弱野党』が挑む国会だ。行政府を監視し、政治に緊張感を生む。立法府の使命を果たすために、民意をつかむ主張ができるか、野党各党の説得力が問われる。

希望の党の玉木雄一郎代表は『寛容な改革保守』を掲げた。『私たちは憲法論議を正しくリードしていく』とも語った。安倍政権と厳しく対峙する立憲民主党に比べ、政権との距離の近さを印象づけた。

一方で、枝野、玉木両氏の主張は、同じ民進党出身だけに共通点も目についた。ともに『原発ゼロ』を掲げ、来年の通常国会に関連法案を提出するとした。憲法改正でも立憲主義を重視し、内閣の衆院解散権の制限には前向きな一方、首相がめざす自衛隊の9条明記は批判する。

性急な野党再編は現実的でないにしても、野党がばらばらなままでは十分な力は発揮できない。立法作業など可能な部分でできるだけ協力すべきだ。

安倍首相の答弁は、所信表明演説で野党に呼びかけた『建設的な議論』とは程遠かった。

衆院選でみずから『国難』と強調してきた北朝鮮情勢や少子化問題について、具体的に問われても、紋切り型の政府方針を繰り返すばかり。野党を挑発する物言いは影を潜めたものの、議論を深めようという姿勢は見られなかった。

日米首脳会談で『日米が百%ともにある』とまで明言したのは、軍事行動も含め行動をともにするのか――。玉木氏にそうただされた首相は直接答えなかった。

野党の質問時間を減らそうとする自民党の動きを枝野、玉木両氏に批判されても『国会が決めること』とかわした。

森友・加計学園の問題では自民党の岸田文雄政調会長が『国民に疑問の声がある以上、誠意をもって丁寧な説明を』と促したが、首相は『国会や衆院選の討論会で丁寧に説明した。今後もその考え方に変わりはない』などと語るにとどめた。

代表質問はあすまで続き、来秋は予算委員会が予定されている。一問一答式の予算案はより議論を深めやすい。民意に届く説得力ある主張をするのはどの党か、それとも政府か。骨太の論戦に期待する」。

社説の主旨である「説得力競い合う論戦に」異論がある。

そもそも、野党各党に民意に届く説得力ある主張を期待するのが無理だからである。先の衆院選で、民意は安倍晋三首相の「国難突破解散」と野党の「もりかけ疑惑解散」との主張を比較検討し、「国難突破解散」に大義があり、説得力あるとして、与党に3分の2以上の議席を与えたのである。一方、野党の「もりかけ疑惑解散」には大義がなく、説得力なしとして、野党を大敗させ、多弱野党にしたのである。

問題は、民意に届く説得力とは何か、である。国難を突破できる政権担当能力=危機管理能力のことである。安倍晋三首相が国政選挙で5連勝したのは、与野党の誰よりも、政権担当能力=危機管理能力があるとの証左である。野党主導の「もりかけ疑惑」追及は、野党の政権担当能力=危機管理能力なしとの証左となるが。国難時に「もりかけ
疑惑」追及だからである。

pagetop