2013年10月19日

産経に「『痛み分け』残る人事院関与」「『内閣人事局』新設、公務員制度改革法案を自公了承」が書かれている。

「政府は16日、中央省庁の幹部人事を一元管理する『内閣人事局』新設を柱とした公務員制度改革関連法案の修正骨子案を公明党に示し、了承された。自民党も了承済みで、政府は月内に法案を今国会に提出し成立を目指す。法案をめぐっては、権限を失う人事院や『応援団』の自民党議員が反発していたが、人事院の関与を残すことで決着。運用面で不透明な部分もあり、火種はくすぶり続けそうだ。

『しっかりやっているので、協力してください』。安倍晋三首相は15日の自民党両院議員総会で、公務員制度改革に慎重な参院幹部に頭を下げた。公務員制度改革は『首相肝いりの政策』(周辺)。だが、結局は官邸と霞が関双方の『痛み分け』となった。

当初の政府案は、人事院の業務のうち、職員の任用や各府省庁の定員を給与ランクごとに決める『級別定数』認定の権限を内閣人事局に移管する内容だった。幹部人事を掌握し、政治主導を強めたい官邸側に対し、人事院は『労働基本権が制約される公務員の利益を守る人事院の代償機能の役割が損なわれる』などの懸念を示していた。

自民党行政改革推進本部の総会でも、首長経験者や官僚出身議員が『人事院の役割が損なわれる』『内閣が多数の省庁幹部を把握できるのか』と政府案を批判。一方、菅義偉官房長官の指示で推進派議員が10人単位で推進本部総会に投入されるなど紛糾を続け、政府が目指した臨時国会冒頭の法案提出は断念せざるを得なかった。

結局、来春の内閣人事局発足を急いだ政府は修正案骨子に、級別定数について『人事院の意見を求め、尊重する』と明記。審議官以上の『600人』規模の人事は予定通り内閣人事局が管理するが、幹部候補者の名簿作成の際に『あらかじめ人事院の意見を聴取』することにし、人事院の一定の関与を残す形とした。

官僚側も『衆参ねじれ』が解消された国会で抵抗するだけでは、意見が反映されない法案が成立してしまうとの危機感があった。『官邸と霞が関が勝ち負けを判定できないぎりぎりのところで折り合った』。慎重派の自民党議員は、こう振り返る。妥協の産物といえるが、人事院の関与の範囲は曖昧で、実際の制度運用に不安を残す。今後の舞台は具体的な法案づくりなどに移るが、官邸と霞が関の暗闘は続きそうだ」。

公務員制度改革が、霞が関の抵抗によって、官邸と霞が関双方の「痛み分け」となった。新設される内閣人事局に、人事院の関与が残ったからである。人事院の権限をすべてシフトすることに失敗したのである戦いは続くのである。

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