2016年11月4日 日経「週内衆院通過へ」「TPP法案山場」「与党、4日採決で調整」
日経に「週内衆院通過へ」「TPP法案山場」「与党、4日採決で調整」が書かれている。
「今国会で焦点の環太平洋経済連携協定(TPP)承認案・関連法案を巡り、週内の衆院通過に向けた与野党の攻防がヤマ場を迎えた。自民、公明両党は11月4日の衆院本会議での採決をめざし、1日の衆院TPP特別委員会で採決する日程を提案。十分な審議を求める野党はこの案を拒否し、日程協議は平行線を続けている。
自民党の竹下亘国会対策委員長は31日、民進党の山井和則国対委員長と会談し、承認案などの審議日程を協議した。竹下氏は1日の衆院特別委、4日の本会議でそれぞれ採決する案を示した。ただ、山井氏は『委員会での審議を充実させるべきだ』とし、特別委での審議を続けるよう求めた。
<野党が一斉反発>
その後、与党は31日の衆院特別委理事会で『審議は十分にした』とし、11月1日午後の本会議後に同委を再開して採決する段取りを提案した。しかし野党側が一斉に反発したため、同日午前の一般質疑だけを決め、1日午後の日程は再び話し合うことになった。
与党は当初、1日までの衆院通過をめざしていた。承認案は衆院を通過して参院に送付すれば、会期内から参院で審議中でも30日後に自然成立する。11月30日の会期末までに自然成立させる衆院通過の期限は1日。ここまでに衆院通過できれば今国会でのTPP承認を確定できる。
野党は1日の衆院通過は『まだ審議は尽くされていないのでありえない』(山井氏)と徹底抵抗の構えをみせていた。10月27日に
亡くなられた三笠宮崇仁(たかひと)さまの本葬『斂葬(れんそう)の儀』を11月4日に控えていた影響もある。
政府は日本の承認を確実にして米国に承認を促し、発効に弾みをつけたい事情もある。8日に予定する米大統領選では民主、共和両党の候補ともにTPP承認に反対しているためだ。『無為に時を過ごせば、むしろ再交渉を求められる事態を引き寄せることにもなりかねない』。安倍晋三首相は10月31日の衆院特別委で早期承認の重要性をこう力説した。
<会期延長も視野>
与野党の駆け引きが続く中で、大島理森衆院議長は『斂葬の儀の前に国会が混乱するのはよくない』として、11月1日の衆院通過は見送るのが望ましいとの意向を自民党に伝えた。官邸も同調し、政府・与党は当初案の1日ではなく4日の本会議採決を探る方向に傾いた。
野党も4日なら『自然承認にならず、斂葬の儀にも影響がない』(民進党国対幹部)と容認論がある。
衆院通過が4日になれば、与党は承認案を自然成立させるため小幅の会期延長も視野に入れる。自民党内には12月上旬まで延長する案が浮上。2017年度税制改正や予算編成作業などを考慮し、小幅延長論が強い」。
1日午前、自民、民進両党はTPP承認案・関連法案の4日の衆院本会議での採決に合意、11月30日までの会期延長を為し、今国会での成立となった。問題は、会期延長をいつまでするか、である。年金改革法案の処理のため12月末までの大幅延長となると、年内解散含みとなるが。