2016年4月4日 読売「政治の現場」「野党融合」② 「民共一体、試練の補選」

読売の「政治の現場」「野党融合」②に、「民共一体、試練の補選」が書かれている。

「3月8日朝、氷点下近くまで冷え込んだ札幌のベッドタウン・北海道恵庭市。衆院北海道5区補選で民進党など野党4党が推す無所属の新人、池田真紀氏(43)(旧民主党道連常任幹事)は、共産党を支持する中小企業に足を運んだ。『誰もが安心して暮らせる社会を作ります』と頭を下げる池田氏の傍らには、案内役の共産党の行沢政義・恵庭市委員長がいた。

旧民主、共産両党は選挙戦で敵対してきたが、約15人の従業員からは拍手が起こった。池田氏は共産党の『引き回し』でこの後も、共産党支持の企業や支援者を訪問した。報告を受けた民進党関係者は『<ここの企業も共産党支持か>と初めて知ったところが多い』と、手の内をさらけ出す共産党の本気度に驚いた。

事実上の与野党対決となる4月24日投開票の同補選で、共産党は独自候補を取り下げた。『野党統一候補』となった池田氏の陣営では、民進、共産両党の融合が進む。

民進党にとっては“初陣”となる。大敗すれば結党の出ばなをくじかれてしまう。民進党幹部『共産党と組むなんて考えられなかったが、自民1強に対抗するため、そうしなければいけないところまで追い込まれた』と語った。

もっとも、民進党が想定したよりも深く、共産党カラーが浸透し、陣営には困惑も生まれている。

3月19日、池田氏支援に動く市民団体『戦争法の廃止を求める当別の会』が開いた集会では、ビニール袋に入れて資料一式が配られた。中身は池田氏を紹介するリーフレットと、共産党北海道委員会の機関紙『ほっかい新報』の号外だった。

池田氏は無党派を意識し、『野党共闘というが、あくまでも<巨大与党>対<安心で普通の暮らしを願う市民>の戦いだ』と訴え、一党一派に偏しない立場を強調した。ただ、共産党町議がこの市民団体の事務局に入り、実際は『共産党の支持拡大の場』(陣営幹部)となった。

共産党は最近、志位委員長の北海道入りを提案したが、民進党は拒んだ。共産党が前面に出すぎると、保守層が離反しかねない。民進党幹部は道連にこう指示した。『しばらく候補者を共産党幹部と並ばせるな』

『民共一体』の動きに、自民党公認の新人、和田義明氏(44)の陣営は公明党との結束を強めている。和田氏は3月13日、公明党の支持母体・創価学会が札幌市内に1000人を集めた会合に出席し、『自公で勝たせてほしい』と、低姿勢で協力を求めた。

野党は、夏の参院選の1人区でも候補者の一本化を進めている。『自公』対『民共』で争われる補選の結果は、その試金石となる。
<大地の票カギ>

衆院北海道5区補選について、2014年衆院比例選の得票数を基に試算すると、民進、共産、社民、生活の4野党が推薦する池田氏と、自民党公認の和田氏は接戦となる。4野党の合計は約13万票で、和田氏を支援する自民、公明、日本のこころを大切にする党の合計は約12万票だ。

地域政党・新党大地は14年衆院選では民主党候補を推薦したが、今回の補選では和田氏を推すことになった。13年参院比例選(5区内)で2万票を得た大地票が、勝敗の行方を左右しそうだ」。

勝敗の帰趨を決めるのは、民進党支持の保守層とそれに重複する新党大地の2万票の行方である。徹底した共産党攻撃あるのみである。共産党アレルギーを喚起することである。

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