2015年8月23日 日経1面トップ「マネー委縮、株安連鎖」「日経平均597円安」「NY株一時300ドル下げ」「世界景気変調を警戒」

日経の1面トップに「マネー委縮、株安連鎖」「日経平均597円安」「NY株一時300ドル下げ」「世界景気変調を警戒」が書かれている。

「株安が世界に連鎖している。21日の日経平均株価は前日の欧米株の大幅下落をうけて600円近く値下がりし、ほぼ1カ月半ぶりに2万円の大台を割り込んだ。中国経済の減速を起点とする世界的な景気変調への警戒感が強まり、萎縮した投資家が株式や社債などから先進国の国債、金といった安全資産へ資金を移している。

日経平均の終値は前日比597円(3%)安の1万9435円で、3カ月半ぶりの安値。下げ幅は、中国・上海総合指数の急落のあおりで638円安だった7月8日に次いで今年2番目だ。

前日に大幅下落して10カ月ぶりに1万7000ドルを下回った米ダウ工業株30種平均は21日も安く始まり、下げ幅が一時300ドルを超えた。株安は2周目に入り、世界の株式時価総額はピークだった5月末の76兆ドルから7兆ドル目減りしている。

日本株は、企業統治改革の進展や好業績期待など日本固有の理由で買われてきた。だが6月に中国株が急落し、7月には米国株も失速。高値圏の日本株を売却して利益を確保する動きに押され、ついに持ちこたえられなくなった格好だ。

『世界の投資家が一斉にリスク資産を減らし始めた』と、BNPパリバ証券の岡沢恭弥取締役グローバルマーケット統治本部長は分析する。

マネーは景気に敏感に連動する株や原油を避け安全資産に流れている。原油は6年5カ月ぶり安値をつけ、エネルギー企業の発行が多い米国の低格付け社債も売られた。一方で金や米国債が買われ、円は21日の海外市場で1カ月半ぶりに一時1ドル=121円台に上昇。外為市場で安全通貨とみられている円も、株安になると買われやすい。

こうした動きの背景には、米国の利上げが近づき、ただでさえ新興国から米国に資金が移動してきたところに中国不安が重なったことがある。とりわけ中国影響が大きい新興国の株や通貨、原油などには売りが集中する。景気が低迷し、通貨ルピアが対ドルで17年ぶり安値圏にあるインドネシアは株安と国債価格安(金利上昇)のトリプル安に見舞われている。

米調査会社EPFRグローバルによると、世界の新興国株ファンドから19日までの1週間で約7200億円が流出した。

市場では『目先の株価対策にとどまらない政策で中国の景気不安が払拭されない限り、相場の混乱は続きそう』(三井住友トラスト・アセットマネジメントの三沢淳一チーフファンドマネジャー)との見方が多い」。

中国発の世界同時株安であるから、中国に景気不安が払しょくされない限り、相場の混乱は続く。中国政府が、目先の株価対策でなく、市場経済重視の構造改革に踏み切れるか、である。

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