2015年8月4日 産経「環球異見」「人民日報(中国)『歴史の教訓くみ取れ』」
産経の「環球異見」に「人民日報(中国)『歴史の教訓くみ取れ』」が載っている。
日本の安全保障関連法案について、中国の官製メディアはそろって『専守防衛から能動的な侵攻への重要な転換点』『平和のベールをかぶる戦争法案』といったレッテルを貼っている。中国共産党機関紙、人民日報(海外版)も16日付のコラムで、衆院での法案の強行採決を激しく非難した。
コラムは、憲法学者や作家らでつくる『反戦組織』が、集団的自衛権行使を容認した閣議決定の撤回と安全保障関連法案の廃案を求める署名約165万8900筆を衆参両院に提出したことや、日本国内の世論調査で反対意見が多いことなどを列挙した上で、『安倍晋三首相は、反対の声の高まりを真剣に受け止めず、反対に目的達成を強行している』と批判した。
また、安倍首相が祖父、岸信介元首相の行った日米安全保障条約改定について、当初は批判されたが数十年後には国民の支持を得たと説明していることにも反発。『これは安倍首相の一方的な言い分に過ぎず、歴史の定説では全くない』と主張した。
また、安倍首相の心中について『民意を顧みない結果が深刻だとよくわかっている』『民意に従いたくないが、民意の爆発も恐れている』と推察する。『数十年後』を見据えたとする安倍首相の発言は『国民へのごまかし』で、『圧力を緩和して政権期を乗り切る』のが目的なのだそうだ。
『新安保法は世界のためではなく、米国のためだ』『日本の安保法案改正が軍事同盟に資するためであることは明らかだ』との言葉からは、日米が結束して中国と対峙することへの警戒感がにじむ。
コラムは、習近平政権が東シナ海や南シナ海で続ける一方的な挑発行動を棚に上げ、『他国の懸念に配慮するか否か、地域の安定に寄与するか否かは、日本の考慮の範疇にない』と断定。『安倍首相が拍手を得るには、まず歴史に真っすぐに向き合い、教訓をくみ取るべきであり、ほしいままに勝手なことをしては歴史の恥となるだけだ』と結んでいる」。
中国共産党機関紙、人民日報(海外版)の16日付コラムで「日本の安保法改正案が軍事同盟に資するためであることは明らかだ」と本音を語っている。安保法案は、対中国脅威の日米同盟強化が目的である。日米同盟強化をする法案がどうして、戦争法案であり、違憲だとなるのか、である。