2015年3月23日 読売の社説「日中韓外相会談」「『歴史』乗り越え対話進めたい」

「6月22日までに日韓首脳会談を」

読売の社説に「日中韓外相会談」「『歴史』乗り越え対話進めたい」が書かれている。

「日中韓3か国の対話と協力を重ねる中で、歴史認識の問題などで対立する日中、日韓の関係の改善に、いかにつなげていくかが問われよう。

岸田外相、中国の王毅外相、韓国の尹炳世外相がソウルで会談した。『歴史を直視し、未来に向かうとの精神』で、2国間関係の改善と3か国協力の強化を進めることで一致した。

日中韓首脳会談については『最も早期で都合のよい時期』の開催に努力することを確認した。

中国は、首脳会談の前提として、今夏に発表される戦後70年の安倍首相談話の内容を見極めたい意向とされる。だが、まずは前提条件をつけずに、大局的な観点から首脳会談を行う準備をすべきだ。解決が困難な問題があっても、様々な会談を通じて、各国が歩み寄れる妥協点を模索するのが、本来あるべき外交の姿だろう。

王外相は会談後の記者会見で、『戦後70年が過ぎたが、歴史問題はまだ過去形ではない。現在進行形だ』と強調した。

中国は、9月3日に北京で行う『抗日戦争勝利70年』記念式典に韓国の朴槿恵大統領を招待するなど、歴史問題で韓国と『対日共闘』を目指す動きを見せている。

しかし、戦後日本は、先の大戦への反省を踏まえ、一貫して平和国家の道を歩んできた。安倍政権は、そのことを国際社会に積極的に発信し、関係国の理解を広げる努力が欠かせない。

岸田外相は日中韓外相会談で、『近接し、文化的な深いつながりを持つ3か国の交流、協力を促進することが重要だ』と指摘した。王、尹両外相も同調し、環境や防災分野などで3か国の連携を強化する方針を確認した。

中国では、微小粒子状物質(PM2・5)などの大気汚染が深刻で、その影響は国境を超えて日韓に及んでいる。日本が技術協力などを通じて、中国の大気汚染を改善すれば、各国の利益となる。

日本が長年培ってきた防災・減災に関する知見や技術は、中韓両国にも参考になろう。様々な分野で実務的な協力を着実に進展させ、3か国の信頼醸成を図ることが重要である。

会談では、北朝鮮の核兵器開発を容認しない方針を再確認した。3か国が足並みをそろえることが、北朝鮮に一定の圧力をかける効果を持つのは間違いない。活発化するイスラム過激派組織の国際テロについても、3か国は、具体的な封じ込め策の議論を深めることが大切だ」。

社説に書いている「中国は、首脳会談の前提として、今夏に発表される戦後70年の安倍首相談話の内容を見極めたい意向とされる。だが、まずは前提条件を付けずに、大局的な観点から首脳会談を行う準備をすべきだ」は、正論である。

中国は、早期の日韓首脳会談にブレーキをかけている。「歴史問題」での対日共闘を崩すなと、韓国に圧力をかけている。9月3日に北京で行う「抗日戦争勝利70年」記念式典に、韓国の朴槿恵大統領を招待している。

問題は、6月22日の「日韓国交正常化50周年」記念式典までに、日韓首脳会談が必須なことである。日米韓の同盟国として、である。中国の外交戦略の狙いは、この日韓首脳会談を潰すことにある。韓国の朴槿恵大統領は逡巡している。米国圧力と中国の圧力の挟み撃ちにあってである。今こそ、中韓の対日共闘を崩す好機である。安倍晋三首相は、米国と連携し、6月22日までに日韓首脳会談をこぎつけることを最優先課題とすべきである。

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