2022年2月27日 ロシア・ウクライナ侵攻
プーチン大統領はつい10日程前はドイツのショルツ首相との会談後の共同記者会見では、ウクライナ問題に対し欧米諸国と交渉を続けていく考えを示していた。ロシア国防相もウクライナ国境付近の部隊一部撤収を話していた。現実はかなり綿密に練られた作戦により諸外国の予想を超えるスピードで侵攻をはたした。北大西洋条約機構(NATO)の拡大を阻止したいロシア側と欧米諸国の溝は埋まらない。
今月初頭のフランス、マクロン大統領との会見では核戦争の可能性にまで言及していた。すでにこの時点で、ウクライナ東部国境付近やすでに併合したクリミア半島の部隊が軍事演習後、部隊に合流していたようだ。昨年にもロシア軍はウクライナ国境付近に展開していた部隊を撤収させる動きを見せていたが一部の部隊を残して再び合流している。
アメリカ、バイデン大統領は月半ばにウクライナ国境付近及びベラルーシに15万人のロシア兵がいるとの認識をしながら、経済制裁のみの発言にとどまっていた。この発言がプーチン大統領の侵攻決断の一因になった事は否めないだろう。この動向を虎視眈々と見守っているのが中国であろう。台湾問題を加速させない事を願うばかりだ。
サイバー戦
ウクライナ政府は国防省や銀行などの金融機関がサイバー攻撃を受けたと発表した。過去に於いてもロシアの関与が疑われるサーバー攻撃が報告されてきた。特定のサーバーに大量のデータが送りつけられる「DDoS」分散型サービス妨害とみられる。ウクライナ国営のプリバトバンクのアプリで口座のアクセスが障害が出たり送金が不能になったりしたようだ。
ロシアのペスコフ大統領報道官はいかなるサイバー攻撃にも関与していないと答えている。以前、ロシアがクリミア半島を併合した際も電力会社の制御システムがサイバー攻撃にあい大規模停電が起きた事は記憶に新しい。今後はハイブリット戦争が戦果を分ける様になるだろう。日本国も「遺憾の意」の表明にとどまらず、台湾有事も想定して現憲法下で何が出来るのか総点検をする必要があるだろう。