2021年5月24日 産経調査(内閣支持率43%、自民35・3%、立憲7・7%)と朝日調査(33%、 30%、7%)

5月の各種世論調査でコロナ感染悪大とワクチン接種の遅れから内閣支持率が急落し、 東京五輪・パラ五輪中止を50%以上が求めており、菅政権存続の危機に直面していると の報道がなされているが、真相はどうなのか、である。朝日(15,16日)と産経(1 5,16日)の世論調査を比較検討して、読み解いてみたい。 内閣支持率は朝日では7ポイント減の33%、不支持率は8ポイント増の47%、分か らないは1ポイント減の20%。産経では支持率は9・3ポイント減の43・0%、不支 持率は10・9ポイント増の52・8%、分からないは1・6ポイント減の4・2%。内 閣支持率で10ポイント差が出たのは、分からないが朝日20%、産経4・2%の違いが、 である。産経は、電話調査の際2度聞きをしているからである。精度の高いのは産経調査 となり、内閣支持率43・0%がより正値となる。 東京五輪・パラリンピックをどうすべきか、で、朝日は、今年の夏に開催する14%、 再び延期する40%、中止する45%となっている。産経は、観客を制限して開催15・ 5%、観客を入れない開催26・3%、中止する56・6%。設問の違いがある。朝日調 査の再び延期は非現実的であり、その40%を開催か中止に分立すべきである。その意味 で産経調査の開催41・8%は正値となり、朝日の開催14%は恣意的となる。 新型コロナウイルスへの政府の対応については、朝日は評価する23%、評価しない6 7%、産経は25・1%、69・5%とほぼ同じであり、違いはない。ワクチン接種への 政府の対応については、朝日は評価する47%、評価しない52%、産経は41・2%、 55・2%と朝日の方が評価がたかい。 問題は、朝日の設問に、憲法改正の手続きを定める国民投票法改正案が成立する見通し であり、改憲論議をするべきだと思うか否か、憲法に緊急事態条項を設けることに賛成か、 反対かが恣意的に抜け落ちていることである。産経では改憲論議を進めるべきと思うが7 2・0%、思わないが19・0%、憲法に緊急事態条項を設けるべきに賛成68・2%、 反対23・2%。前者は、中国による台湾有事、尖閣有事への憲法9条改正をという国民 の危機意識の表れであり、後者は、コロナ禍は非常時であり、3・11と同じ轍を踏むま いとしての緊急事態条項の設置を、である。この72・0%、68・2%が産経調査での 内閣支持率43%を下支えしているが、朝日調査の33%にはこの支持層が恣意的に排除されている。 自民党支持率は朝日では5ポイント減の30%、産経では4・1ポイント減の35・3%。 立憲支持率は朝日では1ポイント増の7%、産経では2・2ポイント増の7・7%。自民 党支持率で5ポイントの差がある。内閣支持率+自民支持率の総和が50%を割り込むと 政権交代という青木の法則というのがあるが、2009年の総選挙での民主党への政権交 代で実証されている。朝日調査では内閣支持率30%+自民党支持率35%=65%。産 経調査では43・0%+35・3%=78・3%となり、朝日調査では15ポイント超、 産経調査では28・3%ポイント超えとなり、次の衆院選での政権交代は不可となり。菅 義偉政権は存続するとなるが。 次期衆院選の帰趨を産経の政党支持率を基に予測すれば次のようになる。与党は自民3 5・3%+公明3・1%=38・4%に対して、野党共闘は立憲7・7%+共産1・9% +国民0・8%+社民0・3%+れいわ0・3%=11・0%しかない。日本維新3・0% を加算した総和は52・4%となるが。想定投票率を60%前後とすれば、支持政なし4 4・9%から8ポイント全てが野党共闘に回ったとしても19・0%にとどまる。与党と の差は19・4ポイント差と半分である。289の1人区で与党の圧勝となるが。 何故こうなるのか。内閣支持率が朝日で7ポイント減、産経で9・3ポイント減、自民 支持率が朝日で5ポイント減、産経で4・1ポイント減なのに、野党第1党の立憲支持率 が朝日で1ポイント増の7%、産経で2・2ポイント増の7・7%にとどまっているから である。旧立憲民主党の発足時支持率が20%あったのに半減以下となったのは、もりか け・桜での安倍降ろしに徹したが、失敗し、3・11で露呈した旧民主党の危機管理能力 の欠如、政権担当能力のなさを国民に再認識させたからである。コロナ禍という非常時に あって国民が想起するのは、3・11での民主党政権の悪夢である。その際の官房長官が 枝野氏であり、その枝野氏が政権交代を主張しているのだから、国民との乖離は大きい。 国民の意識は大きく変わったのである。コロナ対策の遅れは、コロカ禍を有事ととらえ られなかったことであり、憲法に緊急事態条項の設置をが68%となったことである。ま た、同じく、中国による台湾有事・尖閣有事への危機意識としての改憲論議をが72・0% となったことである。菅義偉政権は7月末までに高齢者へのワクチン接種を完了し、7月 23日からの東京五輪・パラ五輪開催を決断している。米国・EU のワクチン普及による急 速な景気回復が追い風となっている。7月末にはコロナ収束も、である。9月の総選挙に、 内閣支持率50%、自民党支持率40%で臨むから、与党圧勝となるが。
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