2013年12月5日 産経 「環球異見」 「中国、尖閣上空に防空識別圏設定」の2
「中国、尖閣上空に防空識別圏設定」の2
<朝鮮日報、中央日報>「2大国間でジレンマ」
「11月29日付の朝鮮日報は、『苦悶深まる安保問題』とする分析記事で、中国の防空識別圏設定を受け、韓国が『安保同盟関係にある米国と最大の貿易市場である中国という2台国間でジレンマに陥っている』との見方を提示。防空圏をめぐって激しく対立する米中が、いずれ韓国に対し『(米中の)どちら側につくのか選択を迫る要求も高まるかもしれない』との危惧を示した。
中韓間では、東シナ海の排他的経済水域(EEZ)をめぐる海洋境界線が未画定だ。韓国は離於島の近くに将来の資源開発をにらんだ海洋研究基地を置いているだけに、韓国側にとっては今回の中国の行為はナショナリズムを刺激する挑発行為と映り、メディアも『関係国と事前協議なく一方的に識別圏を宣言したのは中国の明白な誤りだ』(29日付、中央日報社説)として強く非難している。
しかし、韓国にとっての最大の懸念は、不測の事態が起き、韓国が米中間の軍事衝突などに巻き込まれることだ。
中央日報社説もこの点について、離於島管轄権では断固とした立場を維持しつつも『偶発的事故の発生と判断のミスによって衝突する可能性は最大限に避けなければならない』と、朴槿恵政権に慎重な対応を促している。
防空圏設定は、重大な安全保障危機との考えが支配的となる中で、危機に共同対処する立場にあり、米国の同盟国である日本に背を向け続ける朴政権の外交政策への風当たりも強くなってきた。
28日付の中央日報社説はこの点について『朴政権の対応には失望を受ける』と手厳しい。ただ、朴政権が対日接近に転じる可能性は未知数だ」。
11月29日付の朝鮮日報で、韓国が「安保同盟関係にある米国と最大の貿易市場である中国という2大国間でジレンマに陥っている」とし、米中がいずれ韓国に対し「どちら側につくのか選択を迫る要求も高まるかもしれない」との危惧を示した。正論である。朴政権は、米国を選択せざるを得ない。それに伴い、対日接近に転じるのである。時間の問題である