2016年11月4日 毎日「米国の選択、16年大統領選」に「クリントン氏優勢」「メール波乱含み」「選挙人獲得予測」
毎日の「米国の選択、16年大統領選」に「クリントン氏優勢」「メール波乱含み」「選挙人獲得予測」が書かれている。
「米大統領選は11月8日の投開票まで残り1週間となり、民主党のヒラリー・クリントン候補(69)と共和党のドナルド・トランプ候補(70)は勝敗の鍵を握る激戦州を焦点に最後の追い込みに入った。世論調査の支持率は、9月下旬以降のテレビ討論会でクリントン氏が『3連勝』したことやトランプ氏の女性蔑視発言が暴露されたことなどを受け、クリントン氏が先行。ただ、クリントン氏の私用メール問題を巡る捜査の再開など最終盤まで波乱含みの展開が続いている。
<投票日まで1週間>
米政治サイト『リアル・クリア・ポリティクス』が主要世論調査の平均値としてまとめた10月30日時点の支持率は、両候補の一騎打ちの場合にクリントン氏が47・1%、トランプ氏が42・5%で、差は4・6ポイント。9月下旬以降はじわじわ差が開いていたが、低下傾向にあったトランプ氏の支持率が底を打ち、再び縮まりつつある。ABCテレビなどが10月30日に発表した世論調査(25~28日実施)では、その差は3ポイントだった。
大統領選は全50州と首都ワシントン特別区に割り振られた選挙人計538人の過半数(270人)を獲得した候補が勝つ。州ごとの世論調査結果を基にした獲得予測では、クリントン氏が選挙人を263人まで積み上げ、過半数まであと7人。トランプ氏は126人にとどまっている。
残るのは、激戦の9州とメーン州の1下院選挙区で、選挙人は計149人。9州では、南部フロリダ州(選挙人29人)がまったくの互角で、残る8州はそれぞれが4州で先行するものの小差だ。トランプ氏が当選するためには、ほぼすべてで勝たなければならない。米紙ニューヨーク・タイムズは30日夜時点でクリントン氏が勝つ確率を90%とし、的中率の高さで知られるウェブサイト『ファイブサーティーエイト』は78・9%としている。
ただ、クリントン氏優位の状況を変えかねないのが、連邦捜査局(FBI)のコミー長官がクリントン氏の私用メール問題を巡る捜査を再開したと議会に報告したことだ。ABCテレビなどが10月23日に発表した世論調査(20~23日実施)では差は12ポイントあったが、3ポイント差まで縮まっており、捜査再開が急激な支持率接近に影響した可能性がある。
現時点では、FBIが把握していなかったメールを見つけたという段階だが、有権者には新たな疑惑が持ち上がったような印象を与える。このため、クリントン氏の陣営はコミー長官に、捜査について詳しく国民に説明するよう求めている。
ノースカロライナ州立大のスティーブン・グリーン教授(政治学)は『圧倒的多数の有権者にとって、クリントン氏やそのメール問題は既にこの選挙を考えるうえで織り込み済みだ』と話している」。
10月30日時点での主要世論調査の平均値の支持率はクリントン氏47・1%、トランプ氏42・5%と4・6ポイント差ある。問題は、選挙人獲得予測数である。クリントン氏は、過半数の270に、あと7人と迫る263人であるのに、トランプ氏は126人にとどまっている。残る激戦州9(149)で全勝しなければ、トランプ氏の逆転勝利はない。クリントン氏優勢に変わりはないが。