2020年2月26日 朝日「首相ヤジ問題 予算委流会」「『意味のない質問』17日に釈明」

朝日に「首相ヤジ問題 予算委流会」「『意味のない質問』17日に釈明」が書かれている。

「安倍晋三首相が野党議員に『意味のない質問だよ』とヤジを飛ばした問題で、13日午前に予定された衆院予算委員会は流会となった。野党は首相による謝罪と撤回を自民党に要求。与野党は17日の予算委で、首相が釈明することで折り合った。いったんは正常化したものの、野党が納得する釈明となるかは不透明で、混乱が続く可能性がある。

問題となったのは、12日の同委で立憲民主党の辻元清美氏に向けられたヤジ。自民の森山裕国会対策委員長と立憲の安住淳国対委員長は13日、断続的に協議を行い、17日に同委の集中審議を開き、首相が冒頭に発言することを確認した。

安住氏は記者団に『予算委で首相がおわびし、不規則発言は厳に慎むと言う』と説明。一方、森山氏は『首相の発言については私が申し上げる立場にない』と述べるにとどめており、野党が求める首相の謝罪が実現するかは、あいまいな状態となっている。

与野党の協議と並行し、立憲や国民民主党など野党4党の幹事長・書記局長も会談。首相に対する懲罰動議提出も視野に入れて対応する方針を確認していた。

≪荒れる答弁 浮かぶ国会軽視≫

ヤジ問題の余波で30分遅れで始まった13日午後の衆院本会議でも、首相は強気だった。『恣意的人事を行ってきたとのご指摘は、まったく当たりません!』。野党が東京高検検事長の定年延長に疑念を呈すると、首相は野党席をにらみつけながら声色を強めた。

首相は12日の衆院予算委員会で、立憲の辻元氏に『意味のない質問だよ』とヤジを飛ばしたことを認めたが、『質問ではなく罵詈雑言の連続。当然、そう思うじゃないですか』と言葉を重ねた。謝罪どころか、自らの発言の正当性を主張した。

首相の問題発言で委員会が混乱することは何度もあった。森友・加計学園問題や桜を見る会など、自らが疑惑追及の矢面に立たされる場面で出ることが多い。

2017年6月の衆院決算行政監視委でも首相はヤジを乱発した。加計学園問題を追及した野党議員が自席に戻ると、『くだらない質問で終わっちゃったね』。森友学園側と妻・昭恵氏の関係をただす野党議員にも『いい加減なことばっかり言うんじゃないよ』と荒々しい言葉を浴びせた。

議事録に残る答弁を見ても、首相は野党批判を繰り返していることがわかる。今月4日の衆院予算委では、桜を見る会の問題を取り上げた野党議員の過去の言動を持ち出し、『真っ赤なウソだった』として謝罪を要求。この議員が首相に耳打ちする首相秘書官に声を荒らげると、『人間としてどうかと思う』となじった。17年4月の衆院厚労委で森友問題をただされた際には、『民進党の支持率はご承知の通りだ』と野党の低支持率を皮肉った。

国会軽視の姿勢も際立つ。17年5月の衆院予算委では、憲法記念日に首相自ら打ち出した憲法改正についての考え方を野党議員に問われたが、首相は『相当詳しく読売新聞に書いてある。ぜひ熟読して頂いてもいい』と答弁。説明を避け、自らのインタビュー記事を読むよう勧める首相の態度に、自民党の委員長も『この場では不適切』と注意した。

野党の質問に敵意をむき出しにする首相が17日にどんな釈明をするのか――。憲法が定める三権分立との関係からも、注目が集まる。自民の石破茂元幹事長は13日、自身の派閥会合で首相にこうクギを差した。『罵詈雑言を浴びせられようが平身低頭。(予算案や法案の)審議をお願いしているのはこちらだ』

≪視点≫「『言論の府』壊す首相と与党」

国会を大きく混乱させた自身のヤジに、安倍晋三首相は悪びれる様子もない。こうした振る舞いの悪質さは憲政の歴史をひもとくと、より鮮明になる。

1938年、帝国議会の衆院で国家総動員法案を審議中、陸軍の佐藤賢了中佐がヤジに「黙れ」と、どなった事件があった。議場が騒然とする中、委員長から促された佐藤は撤回する。

53年の衆院予算委員会では吉田茂首相が、質問中の野党議員にぼそっと『バカヤロー」』質問者から撤回を求められた吉田は即座に『不穏当だった。はっきり取り消す』と応じた。

『ワンマン』と言われた吉田だが、戦後10年も絶たない時期だけに、新憲法で国権の最高機関に生まれ変わった国会を侮辱してしまった重大さを受け止め、撤回したのだろう。

翻って現代。ワンマンならぬ『1強』と言われた安倍首相は撤回しないばかりか、開き直って『罵詈雑言の連続』と自らがヤジを浴びせた野党議員をさらに攻撃した。棚橋泰文・予算委員長は撤回を促しもしない。議員の質問権をないがしろにするヤジは、立法府への冒?に等しい。だが、与党から厳しい批判が噴き出すという状況にはない。

品位なき首相と自負なき与党。『言論の府』の土台を壊していることを強く自覚しなければならない」。

朝日は「『言論の府』壊す首相と与党」と書いているが、フェイクニュースで安倍首相批判を展開する場となっている「言論の府」の現実を直視すべきである。もりかけ問題、桜を見る会問題はいずれもフェイクニュースであるからだ。安倍晋三首相の「意味のない質問」は正論となる。「言論の府」の土台を壊しているのは、フェイクニュースで安倍首相批判を展開している野党と朝日を中心とする左派メディアとなるが。

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