2019年9月10日 朝日「臨時国会10月4日召集へ」「日程窮屈、案件は山積」

朝日に「臨時国会10月4日召集へ」「日程窮屈、案件は山積」が書かれている。

「秋の臨時国会について、政府・与党が10月4日の召集を調整している。日韓関係や日米貿易交渉、年金財政検証など論戦テーマが山積しており、野党側は召集の前倒しや閉会中審査を求める構え。安倍晋三首相が参院選で訴えた憲法改正論議の進展も焦点になる。

首相は、9月10~12日に内閣改造・自民党役員人事を行う予定。その後、同月後半に米ニューヨークで開かれる国連総会への出席に合わせた日米首脳会談で、米国との貿易協定の署名をめざす。政府・与党はこうした日程を考慮し、国会の召集日を調整した。会期は12月前半までの2カ月程度を想定している。

ただ、10月22日には外国要人を招いて天皇陛下の即位を宣言する『即位礼正殿の儀』などがあり、前後の約1週間は事実上の休会となる。首相は会期中の外遊も検討しており、審議日程が窮屈となることは確実。政府・与党は国会への提出法案を絞り込む方針だ。

とはいえ、7月の参院選後、内外で懸案となる政治課題が相次ぎ、論戦テーマは多岐にわたる。元徴用工問題や輸出規制強化をめぐって悪化した日韓関係に加え、陸上配備型迎撃ミサイルシステム『イージス・アショア』の配備先についての防衛省のずさんな報告書問題も議論は尽くされていない。

日米貿易交渉の中身も明らかではないほか、中東のホルムズ海峡などで船舶の安全を確保する米国主導の「有志連合」構想・海洋安全保障イニシアチブへの参加問題や、10月1日からの消費増税、公的年金の将来見通しをチェックする財政検証も大きな論点だ。カジノを含む統合型リゾート(IR)の開業に向け、政府が提出を予定する規制・監督機関の『カジノ管理委員会』の人事案も焦点となる。

立憲民主党の長妻昭代表代行は28日、記者団に『案件は山積している。閉会中審査でも何でも、早く開くのが当然だ』と強調した。だが与党側は『<首相の外交日程が詰まっている>と言ってスルー(無視)すればいい』(自民党国会対策幹部)との姿勢で、閉会中審査には応じない方針。国民民主党の玉木雄一郎代表は憲法53条の規定に基づき、4分の1以上の議員による臨時国会の召集要求を検討する考えだ。

一方、自民は先の通常国会で暗礁に乗り上げた衆参両院の憲法審査会での憲法論議の進展をめざす。だが、野党側は参院選で改憲勢力が3分の2に届かなかったことから『議論を今、進める必要はない』(立憲の枝野幸雄代表)で、与野党間の駆け引きが激しくなりそうだ。

次の国会では、立憲と国民に加え、衆院会派『社会保障を立て直す国民会議』が統一会派を組む見通し。

『自民1強』への対抗が目的で、衆院で100人超の勢力は、第2次安倍政権発足後の野党第1会派として最大となる。

枝野代表は『有為な人材に入っていただくと、論戦力や国会対策で非常に戦力アップする』と意気込む。これに対し、自民の森山裕国対委員長は『与党の数が変わらないので(国会運営には)関係ない。一緒になったからボーナスがあるわけではない』と牽制する」。

秋の臨時国会が10月4日の召集となるが、論戦テーマは山積しているが、焦点は憲法審査会での国民投票法改正案の議論の進展とその成立となる。国民民主党が賛成に回るかがカギとなる。

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