2013年12月3日 産経「今週の焦点」 「バイデン米副大統領きょう来日」「中国防空圏、日米結束成るか」「首相、早期警戒・監視態勢強化を確認へ」

「防空式別圏設定撤回」
産経の「今週の焦点」に「バイデン米副大統領きょう来日」「中国防空圏、日米結束成るか」「首相、早期警戒・監視態勢強化を確認へ」が書かれている。

「米国のバイデン副大統領が2日来日し、3日に安倍晋三首相と会談する。首相は会談で中国による東シナ海上空の防空識別圏設定に対し、日米が一致して撤回を求める強いメッセージを打ち出したい考え。ただ、米政府は国内の民間航空会社に中国への飛行計画書の提出を容認するなど微妙な温度差もあり、日米が結束して明確な対処方針を打ち出せるかが課題となる。

『米政府が民間航空会社に飛行計画の提出を要請したことはないと外交ルートを通じて確認している』。首相は1日、視察先の岩手県釜石市で、米側の要請は中国の防空圏通過を想定したものではなく、一般論にすぎないとの見方を強調してみせた。

日米の対応に食い違いが重なれば尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領有を狙う中国の思惑にはまるのは明らか。首相が『外交ルートによる確認』まで持ち出し、足並みの乱れを否定したのにはそうした背景があった。

米政府は中国が防空圏を設定した11月23日、『強い懸念』を中国政府に伝えたほか、ケリー国務長官らが批判声明を発表。26日には米軍のB52爆撃機2機が防空圏を事前通報なしに飛行し、中国を強く牽制した。

バイデン氏は訪日後の4日に中国を訪れ、習近平国家主席に直接懸念を伝える方針。首相は会談で日米間の情報共有や早期警戒・監視態勢の強化を確認し、『力を背景とした現状変更を認めない』との強い意志を習氏に伝えるよう求める意向だ。

米国が中国に懸念を深めるのは、中国が東シナ海だけでなく、ベトナムやフィリピンと領有権問題を抱える南シナ海でも防空圏を設定する構えをみせているからだ。外務省幹部は『中国の動きは西太平洋全般で制海権と制空権を狙う第一歩でもあり、米国は<絶対認めない>と強く意思表示した』と分析する。

ただ政府内には『中国による尖閣諸島周辺への領海侵犯にも関与をなるべく避けるような言動が目立つ』(首相周辺)としてオバマ政権の本気度をいぶかる声も少なくない。3日の会談でどこまで踏み込み協調姿勢を打ち出せるかが、日本側にとって今後の対中戦略を左右する正念場となる」。

3日に、米国のバイデン副大統領と安倍首相が会談するが、安倍首相は、中国の防空識別圏設定に対し、日米が一致して撤回を求める強いメッセージを打ち出したい考えだが、バイデン副大統領がそれに同調するか否かに、対中戦略の成否がかかっている。中国としては、防空識別圏設定は、「日本への領土主張」が目的であり、米国とは対立したくない」のが本音である。中国側は、バイデン副大統領と習近平主席とのトップ会談で、主要議題を「新型大国関係」にすり替えることを狙っている。

問題は、バイデン副大統領に、米中対決辞さじとの覚悟があるのか否かである。オバマ大統領がシリア攻撃を撤回した前例があるからだ。安倍首相が背中を押すしかない。「防空識別圏設定の撤回」を、日米共同で打ち出せるか、である。

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