2016年2月14日 産経「宮崎氏が議員辞職、4月ダブル補選へ」

産経に「宮崎氏が議員辞職、4月ダブル補選へ」が書かれている。

「女性タレントとの不倫疑惑を週刊文春に報じられた自民党の宮崎謙介衆院議員(35)=京都3区=が議員辞職願を提出したことで、4月には行われる見通しとなった補欠選挙。自民党は議席を維持したい考えだが、スキャンダル後だけあって逆風が吹くのは間違いない。一方、民主党は前回の衆院選で惜敗した泉健太氏=比例近畿=が12日に出馬の意向を表明し、議席奪還に活気づいている。

<自民逆風必至、参院選影響も>

『慙愧の思いでいっぱいだ』。宮崎謙介衆院議員が12日、議員辞職願を提出したことを受け、自民党の谷垣禎一幹事長は党本部で記者団にこう語った。宮崎氏の辞職は自民党にとって“誤算”だった。

不倫疑惑が報じられた後、自民党幹部は宮崎氏に早期の離党を促してきた。宮崎氏が離党すれば、夏の参院選への影響を最小限に食い止めることができるとともに、後任候補擁立にかかる時間を次期衆院選まで稼げるからだ。

ただ、そのシナリオは崩れた。党執行部と宮崎氏が所属する二階派の対応が定まらないまま、結果として離党ではなく、議員辞職という“暴走”を許してしまったのだ。

今後は補選に向け、候補者擁立が急務となるが、野党に議席を奪われるとの懸念も募る。京都府連会長の西田昌司参院議員は12日夜、京都市内で記者会見し、公認候補擁立の意向を表明したが、不倫問題の後だけに世論の反発は強い。安倍晋三首相も自身の後援会の会合で『女性票が減ってしまう』と話し、今後の選挙戦への影響を危惧した。

加えて、京都3区は平成26年の前回衆院選で、宮崎氏が約4500票の僅差で民主党の泉健太氏に辛勝しているだけに、厳しい選挙となるのは必至だ。

また、補選で敗れれば、沖縄県宜野湾市長選、京都市長選と注目の地方選で推薦候補が勝利し、その勢いを参院選につなげて勝利を目指す自民党の選挙戦略に水を差すことにもなりかねない。

ある閣僚経験者は『北海道だって厳しいのに、京都はそれどころじゃない。泉氏が補選に回れば、比例は(京都4区で敗れた)北神圭朗氏が繰り上がる。民主党が京都で議席を増やすことにもなりかねない』と危機感をあらわにした。

<民主思わぬ追い風、泉氏出馬>

不倫による自民党議員の辞職という前代未聞の事態を受けた衆院京都3区補選は、野党にとって思わぬ追い風となりそうだ。

民主党は同選挙区を地盤とする泉健太氏=比例近畿=が出馬する考えを表明。岡田克也代表は12日の記者会見で『自民党の責任は重い。しっかり戦っていきたい』と強調した。

民主党は早くも臨戦態勢だが、大きなカギを握るのは野党共闘だ。京都3区補選と同日に行われる衆院北海道5区補選や夏の参院選1人区をめぐる野党統一候補の調整は進展がなく、民主、維新両党の合流構想も暗礁に乗り上げつつある。

岡田氏と維新の党の松野頼久代表は12日、合流構想に関する4回目の会談を行ったが、結論は出なかった。松野氏は記者会見で、泉氏への候補者一本化について『野党再編の流れをみながら考えたい』と明言を避けた。『参院選を単独で戦う決断をするなら、独自候補の擁立も考えなければいけない』とも語り、合流できない場合の統一会派解消に言及。民主、維新両党の解党による新党結成に否定的な岡田氏らを牽制した。

共産党の小池晃政策委員長も記者会見で、補選の対応について『今後の検討だ』と述べるにとどめた。共産党は北海道5区補選や参院選の1人区で野党共闘を模索しており、京都3区補選の対応もこの動向次第となる。ただ、京都3区に含まれる京都市では7日投開票の市長選で民主、共産両党が激しく対決した経緯もある。

一方、おおさか維新の会の松井一郎代表(大阪府知事)は都内で記者団に『きちんとした人物を発掘したい』と述べ、候補者擁立の意向を示した。京都3区補選は今後の野党の選挙戦略や再編の行方を占う試金石となりそうだ」。

第1次安倍政権の7月参院選を控えてのスキャンダル続出と酷似した様相となっている。違うのは、甘利氏閣僚辞任、宮崎氏議員辞職とけじめをつけていることである。官邸主導の危機管理の確かさである。当然、内閣支持率への影響は限定的となる。問題は、4月のダブル補選である。政府・与党は、京都3区補選は捨て、北海道5区補選に集中すべきである。

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