2015年9月16日 毎日「安保法案」「官邸介入、参院が反発」「地方公聴会開催、鴻池委員長が決断」

毎日に「安保法案」「官邸介入、参院が反発」「地方公聴会開催、鴻池委員長が決断」が書かれている。

「参院平和安全法制特別委員会の地方公聴会が16日に開催されることになった。与党は安全保障関連法案を同日の特別委で採決する方針だったが、『円満採決』を重視する参院自民党が野党の要求をのんだ。その背景には、早期採決を迫る首相官邸や自民党衆院執行部への参院側の不満がある。党内で衆参の相互不信が強まり、参院本会議採決までの道筋はなお定まらない。

地方公聴会開催を決断したのは、特別委を仕切る同党の鴻池祥肇委員長。吉田博美参院国対委員長は11日の記者会見で『急に決まった。公平公正に委員会運営をする鴻池氏の強い要望を検討した結果だ』と説明した。

鴻池氏は10日、安保関連法案の採決日程を参院自民党執行部と協議した際、『円満な委員会運営のためにも地方公聴会を実施すべきだ』と主張。出席者によると、鴻池氏は、首相官邸サイドが16日の特別委採決を求めていることに『参院のことは参院で決めるべきだ』と不快感を隠さず、参院の審議日程への官邸の介入に強い不満を示したという。

近年は存在感が低下しているとはいえ、参院自民党にはもともと『党内で一定の独立性がある』という自負がある。衆院側が憲法の『60日ルール』による安保関連法案の衆院再可決をちらつかせ、早期採決を迫る姿勢に、参院側の反発は日増しに強くなっていた。

一方、突然の地方公聴会開催決定に、同党の衆院側も収まらない。11日午前に地方公聴会の日程が伝わると、ある党国対幹部は『ふざけている』と吐き捨てるように言った。

政府・与党は、今国会の最重要課題である安保関連法案について、来週中の成立を目指す方針を何度も確認してきた。それだけに衆院側には、参院自民党が大詰めで独自の判断に傾いたことに、戸惑いと怒りが広がっている。

参院自民党には『官邸がもう少し参院の意見を聞いていれば、重要局面での党内のドタバタは起きなかったはずだ』(幹部)と、鴻池氏の判断を支持する議員が少なくない。

<野党、成立阻止で一致>
民主、維新、共産、社民、生活、日本を元気にする会の野党6党の党首らが11日、国会内で会談し、安倍内閣に対する内閣不信任決議案や問責決議案の提出も含め、『あらゆる手段を講じて安全保障関連法案の今国会成立を阻止する』との方針で一致した。民主党の岡田克也代表はその後の記者会見で、集団的字自衛権の行使を認めない『廃止法案』を今国会に提出する意向を明らかにした。

政府・与党は来週中に参院で関連法案を可決・成立させる方針で、16日にも参院平和安全法制特別委員会で採決することを模索している。これに対し、6党首と参院会派・無所属クラブの代表は、16日の採決は『論外で認められない』と反対する考えで一致。参考人質疑や、河野克俊統合幕僚長と米軍幹部との会談記録とされる資料に関する河野氏の参考人招致など徹底した審議を要求し、所属議員による抗議集会を来週開くことも確認した。

一方、岡田氏は会見で、関連法案が成立した場合でも『集団的自衛権は憲法違反なので廃止するしかない』と述べ、廃止法案を提出する考えを示した。他の野党との共同提出も検討する」。

政府・与党は、17日成立を目指し、徹底抗戦を掲げる野党との攻防が大詰めを迎える。残りの国会会期中の平日は、17,18日と24,25日の4日間しかないからである。連休前の18日までの成立が必須となる。16日の鴻池委員長の造反はA級戦犯ものとなるが。

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