2014年4月4日 日経 「法人減税」「自民、『骨太』明記容認へ」「『来年度』には慎重」

日経に「法人減税」「自民、『骨太』明記容認へ」「『来年度』には慎重」が書かれている。

「自民党税制調査会(野田毅会長)は2日の幹部会合で、4月中旬から法人実効税率の引き下げを巡る議論を始める方針を確認した。6月にまとめる政府の経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に中期的な引き下げ方針を盛り込むことは容認する方向だ。安倍晋三首相らが目指す2015年度からの引き下げには慎重姿勢を崩さない構えだ。

自民党税調は昨年末の14年度税制改正大綱では実効税率引き下げの明記に反対したが、6月の骨太方針の目玉にしたい官邸に配慮し、中期的な引き下げ方針を示すことは容認する判断に傾いた。

今後の焦点は引き下げ方針の表現や条件だ。2日の幹部会合では『法人税率下げは消費増税とセットだ』と政府側に注文を付ける声があがった。幹部の一人は『財政健全化に目を配りながら、法人税の課税ベースの拡大などの財源確保が必要だ』と語った。

菅義偉官房長官は2日の記者会見で『自民党は選挙で法人減税を約束した。与党でも経緯を踏まえて議論をお願いしたい』と強調。15年度からの引き下げを求める意向を改めて示した。

菅長官に近い若手議員らは1日、国会内で法人税率引き下げに関する勉強会の準備会合を開催。出席したエコノミストからは『減税しなければ、国内株が暴落しかねない』との声も上がった。5月の大型連休前後には考え方をまとめ、正式に勉強会を発足させる方針。メンバーの一人は『100人規模で発足し、党税調に意見を取り込んでもらう』と語る。

税制改正の決定権はこれまで自民党税調が握ってきたが、第2次安倍政権では首相官邸の意向が反映される例も目立つ。目玉政策を巡り、党税調対官邸の駆け引きが激しくなってきた。

日本の法人税実効税率は現在、35・64%(東京都の場合)でアジア諸国などに比べ高く、企業の国際競争力を損ねているという指摘がある。首相は1月の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で『本年、さらなる法人税改革に着手する』と表明。経済財政諮問会議の民間議員も『25%程度への引き下げが極めて重要』と提言している」。

税制改正の決定権は、自民党税調が握ってきたが、法人減税では、首相官邸が、その慣例を覆そうとしている。政治は数、数は力である。官邸は、法人税率引き下げ推進の100人規模の勉強会を結成、自民党税調に圧力をかけようとしている。事実上の安倍派結成となるが。

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