2015年8月31日 朝日「安保法案、原案通り採決へ」「与党、修正要求見切り」

朝日に「安保法案、原案通り採決へ」「与党、修正要求見切り」が書かれている。

「参院で審議中の安全保障関連法案について、自民、公明両党が、維新の党など野党側が求めている法案の修正には応じず、衆院通過した原案のまま採決に踏み切る方向となった。維新が内紛状態にあり、修正協議をまとめる見通しが立たないと判断。9月11日までの採決をめざす構えだ。

与党は28日、一部法案の対案を出した維新と、共同で修正案を出した次世代・日本を元気にする会・新党改革の3党とそれぞれ協議をした。ただ、与党側で協議を主導する高村正彦・自民党副総裁は協議前の党会合で『野党との(意見の)差を埋めるのは難しい』との見通しを語った。

与党は衆院採決前にも、維新側と修正協議をしたが、実らなかった経緯がある。維新は、創設者の橋下徹大阪市長と松井一郎大阪府知事が27日に離党して分裂状態に陥った。

このため与党は、『維新は政党の体をなしていない。当てにならない』(与党幹部)と判断。維新や3党の修正要求などには応じず、原案のまま採決する意向だ。ただ、野党側との協議は続け、『採決強行』との批判を避けるために、法案に反対でも採決時への出席を野党に求めるなどして、法案成立に向けた環境を整えない考えだ。

自民の佐藤勉国会対策委員長は党会合で、衆院通過から60日経過すれば、参院の議決がなくても衆院の再議決で法案成立が可能となる『60日ルール』を適用しない方針を参院側に伝えた。これはルール適用が可能になる来月14日より前の同11日にも参院採決をめざす意向を示唆したものだ。

<内紛維新に疑念>
自民の高村副総裁は28日、維新との協議で厳しい言葉を突きつけた。『距離があることははっきりしている。仮に修正できた場合、(修正後の法案は再議決のために)衆院に戻る。維新に党全体として対応していただけるかも関心事だ』。内紛状態の維新を信用していいか疑問だと言わんばかりだった。

与党関係者によると、維新の今井雅人政調会長らは国会に提出した5つの対案を示しつつ、未提出の3法案は民主党と協議中と説明。親政権と野党共闘の間で揺れる維新の状況が対案の対応にも反映していた。

維新案は集団的自衛権の行使を認めず、従来の個別的自衛権の拡大解釈で対応するとしている。だが維新側は『党内には集団的自衛権と言う人もいる』と述べ、意見がまとまっていないことも認めたという。

与党幹部は『維新はあてにならない』と話す。それでも耳を傾ける姿勢を示すのは、衆院での採決強行後に内閣支持率が急落し、報道各社の世論調査でも法案に否定的な意見が多数を占めているからだ。首相も参院審議で、野党に対案を出すよう繰り返してきた。

しかし参院での審議が進まないなか、政権は野党に寄り添う戦術に見切りをつけ、早期決着へとカジを切った形だ」。

政府・与党は、9月11日までに、安保法案を原案通り採決する方針を固めた。維新が割れて、修正協議がまとまる見通しが立たないと判断したからである。「60日ル-ル」を適用せず、正面突破を図る。吉とでるが。

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