2015年8月4日 読売「本社世論調査」「内閣支持最低43%、不支持49%、初の逆転」
「内閣支持率43%、不支持率49%、分からない8%」
読売に「本社世論調査」「内閣支持最低43%、不支持49%、初の逆転」が書かれている。
「読売新聞社は24~26日、安全保障関連法案の参院での審議入りを前に全国世論調査を実施した。安倍内閣の支持率は43%で、前回調査(7月3~5日)の49%から6ポイント下落し、2012年12月の第2次安倍内閣発足以降で最低となった。不支持率は49%と前回の40%から9ポイント上昇して最高となり、初めて不支持率が支持率を上回った。
与党が安保関連法案を、野党の多くが参加しない中で衆院本会議で採決したことを『適切ではない』とした人は61%に上っており、国会運営への批判が支持率低下につながったようだ。
安倍首相が新国立競技場の建設計画を白紙に戻して見直すと決めたことについては、『評価する』が83%に達した。ただ、評価すると答えた人の内閣支持は、支持率が46%、不支持率が47%と拮抗しており、首相の決断も、支持率低下に歯止めをかけられなかったようだ。建設計画を白紙撤回するまでの政府の対応は、『適切ではなかった』が79%に達している。
安保関連法案の今国会での成立については、『反対』が64%(前回63%)で『賛成』の26%(同25%)を上回っている。政府・与党が法案の内容を『十分に説明している』は12%(同13%)にとどまり、『そうは思わない』は82%(同80%)と依然として高かった。
安保関連法案の審議での野党の対応を『評価する』と答えた人は23%にとどまり、『評価しない』は65%に上った。
首相が今夏に発表する『戦後70年談話』で、これまでの首相談話にあった過去の植民地支配や侵略に対する反省やおわびについての表現を『入れるべきだ』とした人は55%で、『そうは思わない』の30%を上回った。
政党支持率は、自民党36%(前回35%)、民主党8%(同9%)、共産党5%(同3%)、公明党3%(同4%)などだった。
<女性・無党派、不支持上昇>
本社全国世論調査で初めて内閣不支持率が支持率を上回ったのは、女性や無党派層の間で、安全保障関連法案への理解が広がらず、不支持率が大きく上昇したためだ。男性の内閣支持率は49%で、前回調査(7月3~5日)より6ポイント低下したものの不支持率の44%を上回っている。しかし、女性の支持率は38%で、前回から7ポイント下落した。不支持率は53%と前回から11ポイント上昇し、初めて支持率を上回った。
女性の間では、安保関連法案について批判的な意見が多い。与党が衆院本会議で、野党の多くが採決に参加しない中で採決したことを『適切ではない』とした人は、男性は57%だったが、女性は64%と高い。
安保関連法案の今国会での成立についても、男性の『反対』は61%(前回63%)とほぼ横ばいだが、女性の『反対』は67%(同63%)に上昇した。政府・与党が法案の内容を十分に説明しているかについて、女性の『そうは思わない』は84%(同81%)に達している。
無党派層では、内閣不支持率が10ポイント上昇して68%になったほか、安保関連法案の説明が不十分だとする人は初めて9割を超え、91%となった。27日から始まる参院の審議の中で、政府・与党にはますます丁寧な説明が求められそうだ。
一方、内閣支持率の下落は野党への追い風とはならず、政党支持率は民主党8%(同9%)、維新の党2%(同2%)などと伸びていない。安保関連法案への野党の対応を『評価しない』と答えた人は、民主支持層で6割強、維新支持層でも7割強と高く、与党に歯止めをかけられない状況へのいらだちもうかがえる」。
読売調査で、内閣支持率が前回調査(7月3~5日)より6ポイント減の43%、不支持率は9ポイント増の49%、自民党支持率は1ポイント増の36%となったが、分からないは8%しかなく、精度が高く、正値である。支持と不支持は逆転したが、内閣支持率は40%台を維持し、自民党支持率も1ポイント増の36%となり、民主党支持率は1ポイント減の8%となっている。内閣支持率6ポイント減が、民主党に回っていないから、これ以上の下げは止まると想定できる。
問題は、女性の内閣不支持が上昇していることである。女性の支持率は7ポイント減の38%、不支持率は11ポイント増の53%。男性の支持率は6ポイント減の49%、不支持率は6ポイント増の44%なのに、である。理由は、安保法案の採決が適切でない64%(男性57%)、今国会での成立反対67%(61%)にある。自民支持層の女性層の思想武装が急務となる。