2015年5月25日 東京「安保法案閣議決定、新聞各社の社説」「地方紙、大半が警鐘」「全国紙は評価二分」

東京に「安保法案閣議決定、新聞各社の社説」「地方紙、大半が警鐘」「全国紙は評価二分」が書かれている。

「安全保障法制の関連法案が26日から衆院で審議入りする。14日の閣議決定に関する各社の社説・論説(14-16日)を点検したところ、全国紙の賛否が割れる一方、ブロック紙・地方紙の大半が批判的な立場で論陣を張っている。

朝日新聞は『憲法9条に基づく平和国家としてのありようの根本的な変質』と懸念を示した。毎日新聞も『集団的自衛権や後方支援の法制で日本は何をし、どんな国を目指そうとしているのかが、見えてこない』と安倍政権の姿勢に疑問を投げかけた。

読売新聞は『日米同盟と国際連携を強化するとともに、切れ目のない事態対処が可能な体制を構築し、抑止力を高めることが急務』と評価。産経新聞も『戦争に巻き込まれるといった議論は的はずれ』と政権を支持した。日経新聞は慎重審議を求めるトーンを強く打ち出しているものの、法案は肯定的に捉えている。

ブロック紙・地方紙は39紙中(同じ社説を掲げた東京・中日新聞と北国・富山新聞は一紙として数える)、北国・富山新聞を除く38紙が警鐘を鳴らした。

反対・慎重派では、東京・中日新聞が『戦後貫いてきた<専守防衛>の原点に、いま一度返るべきではないか』と訴えた。福島民報は『(法案への)合意を得る政府の努力が不足しているため、国民との距離が広がっている』と指摘した。唯一の賛成派である北国・富山新聞は『自衛隊が果たす役割を広げ、米国を支援する体制を整えることで抑止力は強化される』と賛美した。

全国紙と地方の温度差は、昨年7月の集団的自衛権の行使容認の閣議決定時もみられた。全国紙は、反対派の『朝日・毎日』VS賛成派の『読売・産経』の構図。ブロック紙・地方紙は反対が圧倒的だった。

なぜ全国紙と地方紙で食い違うのか。清水真・昭和女子大准教授(マスコミュニケーション論)は『地方紙と全国紙では依拠する地盤が違う』とみる。『地方紙は、読者が保守からリベラルまで幅広いが、一連の安保政策は、地方も戦争に巻き込んで生活を破壊しかねないと判断している。全国紙は、住民同士の結び付きが比較的弱い都市部の読者が多く、白紙の信条を前面に打ち出しやすいのではないか』」。

ブロック紙・地方紙39紙中、38紙が、安保法制の関連法案に反対である。理由は、ブロック紙・地方紙に配信している共同通信社が、朝日・毎日と同じくリベラル・左派だからである。地方紙38紙が「平和という名の戦争」の先兵と化している。

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